LR

□狡猾
1ページ/2ページ



カタカタとキーボードを弾く音がずっと鳴り止まない

「エクレールさん、コーヒー頂けますか?」

それは、私にコーヒーを煎れろということだろうが

ホープに生返事を返すとキッチンへと向かった


ここはイメージしていた研究所とは違い

アンティーク調で統一されており、外観に劣らず内装もドールハウスを思わせるものだ

研究所というものは真っ白く整理の行き届いたものか、ごちゃごちゃとしたものだとしか思っていなかった


「オミの趣味だよ」


そうなのか…

「…、私に何の用だ?」

ロキが近くにいることに気づけなかった自分を少し恥じる

不快だという表情をだしながらロキを見ていると

ロキはむすっと顔をしかめ頬を膨らます

「エクレール、あいつなんなの?」

ロキの話を聞きながら手を動かす

「だって、あいつ俺より子供のくせに生意気だし!
勝手にここにいるし!」

コーヒーの薫りがひろがっていく

「それに、なんかエクレールと…その、」

褐色がカップに満ちていく

「あいつって、エクレールの何?」

コーヒーカップを手に取り少し考える


ホープは私の…

私の…

「さぁ、なんでしょうね」

後ろから突然現れたホープに驚く

ホープは私の持っていたコーヒーカップを受け取り、一口くちをつけるとロキを射る

「エクレールさんにとっての僕は僕には分かりません。

でも、僕にとってエクレールさんは大切な人で最愛の人です」

後ろから肩を撫でられ耳元で囁かれるとくすぐったくて身を捩らせホープの手から逃れる

顔が熱い、今私の顔は真っ赤だろう

…そして、何故かロキも真っ赤っかだった

「な、な、なっ!なに言ってんの!?」

ロキは動揺を撒き散らしながらホープを指差している

「そんな、は、はずかしいことっ」

なんだ、こいつそんな事くらいで、うぶなのか…いや、生息子なのか?
 
次へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ