FF13
□端緒
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ー自分の中にあるライトさんへの気持ちを自覚するのに、時間は掛からなかった。
端緒
最初は、憧れだった。彼女の強さや、不器用ながらの優しさ、行動力は子供の僕でもわかるほど、素晴らしいものだった。
旅の途中、捨てられそうになった事もあった。
それでも彼女は、僕を見捨てず僕の前に道を開いてくれた。
辛くても、彼女のようになりたい。彼女に追いつきたい。そればかり考えることに、夢中だった。
僕が、間違えそうになっても正してくれた彼女。「僕を守る」そう言ってくれて、純粋に胸が暖かくなった。
…本当は、知っていた。彼女の強さは、弱さからきていることも、普段から皆のことを考えて無理してることも。
僕のことを、巻き込んだなんて後悔してた事も。
全部ぜんぶ、知ってた。
知ってたのに、知らないフリをしたのは、彼女のためでもなく
僕のためだ。