FF13-2

□瑟瑟
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朝目が覚めるとホープの姿は無かった

昨日の今日で、会えば気まずいのは分かっているがホープの姿が見えないのは寂しくもあり不安だ

リビングのテーブルにはホープが作ったであろう朝食

その横に浮いているディスプレイに手をかざすと今日はちゃんと食べてくださいねとメッセージが残されていた

朝食を食べ片していた時だった、コミュニケーターから私を呼ぶ音を鳴らしていた

「ライトニングだ」

『   』

「承知した」

私に連絡をよこしたのは軍からで、こうやって個人に連絡してくるのは珍しいことだったが

伝えられた内容から納得がいった

その内容は、今日は出勤はしなくてもいい。そのかわり特別任務についてもらうというものだった

その任務がホープの護衛と言うことだったから、ホープの仕業だということは考えなくても分かった



「ホープ、己の地位と権力を私情で使うのはどうかと思うが?」

ホープは組んでいた足を解くとにこにこしながら私を見ている

「だって、ライトさんを見とかないと落ち着きません。」

ホープの様子から、昨日のことはきれいさっぱり流しているようだが、言っていることはよく分からない

「それに、僕はずっとライトさんの側にいたいです。ライトさんは違いますか?」

眉尻を下げ、目を潤ませながら私を見る捨てられた子犬の様なホープに、ますます分からなくなった

この子は、あざとくなっている…己の与える効果を分かっていて使っている

怖い…私もいつかホープの手駒にされそうで

いや、もう手駒なのかもしれない
実際ホープのこういう表情には逆らえない

「そっそれは、確かに一緒には居たいが…別に、家でも会えるだろ」

怖ず怖ずとそう言うとホープは手招きをしている

ホープに従い近づくとホープは足を広げ自分が座っている椅子をぽんぽんと叩いた

足の間に座れと…

私は大人しくホープの足の間におさまるとホープを見上げる

ホープは私にちゅっと触れるだけのキスをすると後ろから包み込む

ホープにすっぽりと包まれる自分にホープは本当に成長したのだと改めて思う

ホープは私の肩に顎を乗せ話し始めた

「僕、不安なんです。目を離した隙にまたライトさんがいなくなっちゃうかもって

ライトさんは、自分のことちゃんと大切にしないし、無茶ばっかりだし、僕が見てないとふらふら何処かに行っちゃう気がして…」

ホープが喋る度にくすぐったかったが、しっかりとホープの言葉に耳を傾ける

「今までの、ついて行くだけの、見ているだけの僕じゃ駄目だと思ったんです。ライトさんに口うるさくして、言葉で、力で縛り付けて何処にも行けないようにって…」

ホープの私を包む力が強くなった
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