桜色ワルツ
□第六訓
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みんながいる部屋に行くと、ルイは神楽に飛びつかれた。
『わっ!神楽!』
「わー!ごっさかわいいアル!」
「すごく似合ってますよ、ルイさん」
「オイ新八、てめぇメガネのくせにルイ口説いてんじゃねーヨ」
「いきなりテンション変わりすぎだから!!!つーかメガネ関係ねーよ!!!」
神楽が相変わらず新八に手厳しい言葉を浴びせる。
『ありがとう。でもちょっと恥ずかしいのよね…』
「大丈夫よ、銀さんもそう思いますよね?」
すると銀時は、
「似合ってんじゃねーの」
といい、プイッと視線を逸らした。
「っもう、銀さんったら。
…あ、そうだわ! ルイさん、“すまいる”で働いてみない?」
妙はルイの手をにぎって笑顔を向けてくる。
『…“すまいる”? お店ですか?』
「な、おいお妙!いくら金がねぇからってキャバクラで働かせられるかよ!」
『え、そんなに危ないお店なんですか?』
ルイはキャバクラというものを知らないため、困惑している。
「えっとですねぇ…キャバクラっていうのは、女性がお客の男性にお酌をするとか、まぁおもてなしするお店ですね」
新八はフォローするように言ったが、もちろんアメストリスにもそういったバーのようなお店はあるので、ルイも理解したようだ。
『ああ、そういうお店なのね…
まぁ私も仕事で一度だけ体験させてもらったことがあるから大丈夫だと思うけど』
前に麻薬の流通ルートの捜査でバーに潜入したことがあった。
しかし銀時は納得していないようだ。
「バカ言うなよ、危なっかしい男の相手すんだぞ!?」
「そうヨ!男はみんなケモノだってマミーが言ってたアル!」
神楽も便乗する。
「そんなに心配しなくても、ルイさんに変なことする男がいたら私が二度とお天道様を拝めないようにしてやりますから、大丈夫ですよ」
「「(いや大丈夫じゃねーだろ!!!!)」」
『(妙ちゃんっていったい何者なの…ι)』
なかば呆れながらも、
『まぁ、妙ちゃんが紹介してくれるんだし、私も養ってもらってるんだから働きます。
ありがとうね、妙ちゃん』
とルイは了承した。
「店長に伝えておくわね。
きっと雇わせるから安心して!」
雇ってもらえる、ではなく雇わせる、と言ったことから、妙の“すまいる”での影響力がわかる。
「あと、あの話…
聞かせてもらえないかしら?」
妙が周りに聞こえないように小さい声で言った。
“あの話”とは、機械鎧の件。
『…そうね、
みなさん、聞いてもらえないかしら。
まだあなた達に話していないことがあるの』