桜色ワルツ
□第三訓
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メガネの少年の名前は志村新八というらしい。
万事屋銀ちゃんは新八も含め、3人のメンバーでなりたっているようだ。
『改めて、よろしくお願いします』
「あの、ところでルイさんは着物も何も持ってらっしゃらないんですよね?僕の姉上が確か着ない着物持っていたと思うんで訊いてみますね」
『ありがとう!何から何までごめんなさい…』
「いいんですよ。働かないこの人たちよりましですからね」
この人たち、というのは銀時と神楽のこと。
銀時と神楽はごろごろとソファに寝転んでいる。
『そうなんだ…ι』
そして新八は彼の姉に電話(と思われるもの)をかけた。
アメストリスの電話と少し形が違うらしい。
「ルイさん、姉上が今からここに来るらしいんですけど、その時に着物を持ってきてくださるそうです」
『よかった…!!本当にありがとう!!!…あ、そうだ、万事屋の仕事って、具体的にどんなことをするの?』
なんでも屋、というからには裏の組織とつながっている、なんてことがあるかもしれないので、一応聞いておく。
「そうですね…たとえばお店の手伝いとか、飼い猫探し、屋根の修理とかが普通ですね。人探しとか浮気調査なんかもしたことがありますけど」
『へぇ…幅広いのね』
聞く限り、まっとうな仕事のようだ。
「あ、でも一つだけ言っておきますけど、うちはいろんな仕事をやるので報酬はその時によって違いますから、収入は安定しないんです。ほとんど仕事がない週とかもあって、僕も給料全然払ってもらってないんですよ…」
『そうよね…あの、私考えたんだけど、万事屋以外にも私が働いたら少しはお金も入るし楽になるんじゃないかしら?』
「何言ってるアルか、ルイがそんなことする必要ないネ。この天パが働けばいいアル」
寝転んでいた神楽が少し顔をルイのほうに向けて話す。
「そうですよ、無理しなくていいんですよ、だいたいこの天パがいけないんですからね」
銀時は2人からかなり馬鹿にされているところを見ると、働かない人間だということはわかる。
「…あのな、俺だってやるときはやるんだよ!銀さんは落ち着いてるの、体力貯めこんでるの」
銀時も2人に「働かない」と言われ、ムッときたようだ。
すぐさま「体力ためすぎだろォォォォォォ!!!」とツッコミが入る。
『でも私ここに置いてもらっている身だし、働いていないと体がなまっちゃいそうなのよ』
「何お前、今までそんなにいそがしかったのか?」
『ええ、それはもう書類の処理の量がすごかったのよね…』
ルイが思い出して少しゲッソリしていると、
ピーンポーン
何かの音が鳴った。
「姉上ですかね、僕出てきますね」
新八は玄関の方へと走っていった。
『銀さん、今のは何の音?』
「…ああ、チャイムっつうんだよ。客とかが入り口前で鳴らすやつ」
『(なるほど、それで新八くんは走っていったのね)』