絶園の宮

□第一話
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日本某所―――




1人の女と男が話していた。男は白の詰襟、女は十二単という、現代社会ではあまり目にしない格好をしている。




男はどうやら女の方に相談をしているようだった。




「ですが姫様、あなたの妹姫様には『はじまりの樹』の加護があるんですよ? その方を封じるにはどうすれば…?」




女は男の主張を聞き、長い袖で口元を隠しながら笑む。




「左門、頭を使え。我らの魔法は供物がなければ使えない。あの娘を手っ取り早く封じ込めるにはろくな文明のない無人島に放りこめばいい。」




「ですが、」




男――、左門が異論を唱えようとしたが、女は眉間に少し皺を寄せ、左門にぴしゃりと言い放つ。




「くどいぞ左門。そこまで不安なら、そうだな……はじまりの姫宮には時間の檻にでも入ってもらうか?」




左門の不安を汲んだのか、さらに案を出す。




「時間の檻……ですか?」




聞き慣れない時間の檻という言葉に左門は首をかしげる。その様子に女はクスリと笑い、




「絶海の孤島に放り出された魔法使いはどんな行動をするのだろうな…」




女――、鎖部海葉はそう言って左門に『檻』の作り方を教えた。




そう、海葉はずっと実妹、鎖部葉風の殺害計画の相談をされていたのだった。
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