オリキャラ

□カゲロウデイズ
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時計の針が鳴り響くベッドで、僕はハッと目を覚めた。今は何時?

8月14日の午前12時過ぎくらいを指している。
やけに煩い蝉の声だけが覚えていた。

「でもさぁ…少し不思議だな」

昨日と同じ公園に行く。そこにはトラックに轢かれた筈のルルちゃんが居た。
あぁ、あれは夢だったんだな。良かった……
ところが。黒猫がルルちゃんの腕からスルリと抜け出し、そのまま道路へと走って行った。
…これは、昨日見た夢じゃないのか?いや、似てる。行動が似ている。思い出したら顔が歪む。

「待って!」

猫を追いかけるルルちゃんに、僕はルルちゃんの腕を引っ張る。ふと、ルルちゃんは僕の方に振り向いた。

「もう、今日は帰ろうか」

君の苦しむ顔は見たくない。さらに腕の掴む力が強くなる。

「でも…キキが……」

「大丈夫…猫は気まぐれだから。何考えてるか分からないだろう?いつでも帰ってくるさ。ルルちゃんは安心してて」

優しく微笑むと、僕はルルちゃんの腕を引っ張りそのまま帰ろうとした。が、周りの皆が上を見上げてる。空を見てるのかな?…その割には、様子が変。口なんか開けて…何かを指差している。
すると。
ルルちゃんが自ら手を離し、僕の目の前に立つ。やがて、空から降ってきた鉄柱が君をズサッと嫌な音を立て、突き刺さる。

「…!!」

劈く悲鳴と風鈴の音が樹木の隙間で空回りする。
わざとらしい陽炎が

「夢じゃないぞ」

と、また嗤ってる。眩む視界に君の横顔…痛いだろうに。
笑ってるような気がした。



どうしよう………
また、君を傷付けてしまった。
階段に登っても、ルルちゃんが足を滑らせ頭を強打して死亡。どうしたら…

どうしたら、どうしたら…どうしたらどうしたらどうしたらどうしたら

君を傷付けずに済むのだろう?
その途端、陽炎の声が聞こえた。

「繰り返して何十年。もうとっくに気が付いてるだろ?」

そうだよ…もうとっくに気が付いてる。でも、分からないんだ。ルルちゃんを救う方法が……

「こんな良くある話なら、結末はきっと一つだけ。」

「え?」

振り返ると、もう陽炎の姿がなかった。

さっきの言葉が蘇る。

―――こんな良くある話なら、結末はきっと一つだけ。――

僕は少し考える。…あぁ、そうか……
なんだ、簡単な事じゃないか。今まで悩んでいた僕が馬鹿馬鹿しくなったよ。…ハハッ。









繰り返した、夏の日の向こう…………
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