オリキャラ

□カゲロウデイズ
1ページ/5ページ

8月15日の午後12時半くらい頃。天気が良いので、僕は公園に居た。暑い…。病気になりそうな程眩しい日差しの中、することがないから君と駄弁っていた。すると。

「でもまぁ…夏は嫌いかな」

君の膝の上に、黒猫が気持ち良さそうに眼を細め頭を撫でられている。君はふてぶてしくそう呟いて微笑む。

「ぁ、待って!」

逃げ出した猫の後を走って追う。目の前が交通路だっていう事も忘れて。

「ルルちゃん、危ないっ!!」

「え?」

ルルちゃんが振り返ろうとすると、赤に変わった。信号機が。ルルちゃんは、大型トラックに轢かれた。

「きゃあああ!」

バッと通ったトラックが、君を引きずって鳴き叫ぶ。

「ルルちゃん!」

僕は慌てて道路に駆け寄ると、ルルちゃんは倒れていた。真っ白なワンピースは赤に染められていて、僕は立ちすくみ、君の香りが混ざり合って…口に手を当てむせ返った。

「そんな…こんなの、嘘だ……っ」

嘘みたいな陽炎が

「嘘じゃないぞ」

って嗤ってる。
夏の水色、掻き回すような蝉の音に全て眩んだ。
次へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ