◎ Nobel
□ シェアハウス
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「……はぁ。」
そりゃあ溜め息もでるっての。
「…何でこんな事になったの…。」
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『支払いが出来ないのなら、出ていってください。』
「え゙っ?!ちょ、待ってください!!払いますっ!払いますからっ!!!」
『駄目です。その言葉を聞き続けて、もう一年がたちます。』
「そ、そこをなんとかっ!ほんとに、来月には払いますからっ」
『駄目です。』
「ーっ!」
昨日あたしは、
マンションを追い出されました。
柊 瀬菜。
20歳。
親は居ません。
くっそー、あの頑固大家。
ちょっとは事情を汲んで貰いたいものですよ…
週6回、
7時〜16時までパン屋でバイト。
20時〜2時まではコンビニでバイト。
この稼ぎじゃあねぇ…。
ところで、新しい住みかのことなんですが
あの後大家さんに頼み込んで、探して頂きました。
今流行りのシェアハウス。
しかも、家賃は一月5000円。
こんな美味しい話は二度とないと確信したあたしは、迷惑そうな顔をする大家さんの手を握り締め、大きく頷いた。
どうやらそのシェアハウスには、既に5人の住人がいるらしい。
ほんとは一人暮らしがよかったけど、この際文句は言いません。
あたしとしては、女の子の割合が多ければいいなーと思うよ、うん。
こ、ここがmyハウス。
違った、ourハウス。
それにしてもまあ、
「…………。」
放心状態にもなるっての。
なんと、
それはそれは大きな大きな美しいourハウスでしたとさ。
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