other

□あ痛い=会いたい
1ページ/1ページ


どうやら、maid in ハルヒの閉鎖空間や神人は海外にも出没するらしく…ってそんな前置きはどうでもいい。

俺はここ1ヶ月古泉に会っていない。

海外勤務…みたいなもんだ。
神人を倒しにどっか外国に行っている。
学校には1ヶ月の海外留学とかなんとかいっているらしいが。

これもすべて、何故かハルヒが外国に興味を持ち始めたせいだ…。

ハルヒが行きたがる国に閉鎖空間が出来てるらしい。
自分が行きたいからって神人行かせてどうする…。


ある日は、


「やっぱりヨーロッパ辺りは行きたいわよね!」


古泉はヨーロッパか…アバウトだな。

またとある日は、


「オーストリアって面白そうね!」


オーストリア?
オーストラリアの親戚か?

またまたとある日は


「リヒテンシュタインなんて行く人いないと思うから珍しい体験だと思うわ」


次はリヒテンシュタインか…ってどこだよそこ!!やけにマニアックだな!



そんな理由で、なんだかんだ会えず、はや1ヶ月。
いい加減、俺も限界だ。
まぁ…好きな…恋人に会えないのは辛い。

てか正直、1週間でもう我慢できず電話をかけてみた。

でも、電波が届かないと冷たい冷酷な声が告げた…うん…俺にはそれぐらいに聞こえたさ。
電波が届かないのは当たり前、その時ハルヒが行きたがっていた場所がアマゾンの奥地だったからだ。
アマゾンって古泉死んでないよな…?


そこまで古泉なんぞに重症な中毒になってる自分にイラッとしながら1ヶ月過ごした。

…会いたい…声聞きたい…さっさと連絡よこすなり、帰ってくるなりしろよ 馬鹿古泉…。


「電話か」


部屋でゴロゴロしていたら携帯が鳴った。
古泉だと期待はしない、期待してハルヒだったということが何回あったことか…。
そのたびに喜んだり、落ち込んだり。
一喜一憂…。

名前を映す携帯の画面を見る。


「古泉!?」


確かに携帯の画面に映ったのは古泉の名前だった。
急いで電話に出る。


「キョン君 久しぶりですね」

「おまっ 連絡ぐらいよこせよ馬鹿!」

「すみません…。仕事が大変でして…。なんせ涼宮さんが次から次へと閉鎖空間をつくるものですから。今まで貴方に連絡する暇なく移動しては神人退治ですよ」


古泉の声には疲れがみえた。
まぁ当たり前だこれで疲れない方がおかしい。


「あのさ…古泉…」

「はい?」

「あっあ…あ」


会いたい。
こんだけのことが言えない自分の性格が恨めしい。


「キョ〜ン君っ!」

「うにゃあ!!」

「あ痛ぁぁ!?」


妹が後ろから、座って電話をしている俺に飛び付いてきた。
しかもシャミセンを片手に抱いて。
俺の背中と妹に潰された哀れなシャミセン。
もちろん逃げようと正面にある俺の背中を自慢の爪で引っ掻いた。


「あ…いた…?キョン君会いたいって言いました?」

「えっあ…悪いかよ…」


まぁ違うが、実際そう思ったからいいか。


「僕もですよ」

「そっ…そうか…」

「仕事も落ち着きましたし、機関の方々には悪いですが無理にでも帰らせてもらうことにします」

「ホントか!?」

「えぇ、今から急いで帰りますから明後日には学校で」


短い会話だったけど久しぶりの古泉の声が聞けた。


「今のだぁれ?キョン君嬉しそうだねぇ〜」

「あぁ。あっそうだ妹よ。プリンでも買ってやろう。シャミセンにも煮干しかなんか買ってやる」


2人…いや1人と1匹だか…おかげで、古泉に会いたいって伝えれたんだ。プリンや煮干しぐらい安いさ。


「うわぁ〜い!キョン君やぁさしい〜!!シャミセンも嬉しいでしょ?」

「うにゃぁ〜」


さて、1ヶ月も連絡よこさなかった恋人に何を愚痴ってやるかを考えながら、プリンと煮干しを買いに行くか。




―――――――――――
あとがき

サボテンが動き出して、電話中、彼女に「会いたい」と言えない彼氏に針を連続発射。

彼氏が痛いって繰り返し言ってたら電話ごしの彼女が「会いたい」と感違いして「私も!」と言う、わけわかんないCMが昔あったのを思い出して書いた。
(何のCMだったんだ…?)


バカップルだよな(笑)
うちのキョンはやけにデレが多い気がする。

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ