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□悪夢
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「あれ?キョン君寝てますね」


部室に来てみたらキョン君が腕に顔をうずめて寝ていた。

せっかく寝てますし、寝させてあげますか…。
部室には誰もいませんし。


「古泉…?」

「起こしてしまいましたか?」

「古泉…」

「どうしました?」


彼は、僕に近づく。
そして、縋るように僕に抱き着いた。

キョン君の方から抱きついて来るなんて。寝ぼけてますか?


「……キス…してくれないか…?」


僕の方が背が高いので、当たり前のようにキョン君は僕を見上げる。

潤んだ瞳に紅潮した顔。
ちょ…キョン君…その可愛いさ卑怯すぎます。
写メ撮ってもいいですか?
待ち受けにしますから。


「あっあの…いや良いですけど珍しいですね」

「んっ……」


望んだ通りキョン君の唇に自分の唇を合わす。

キスを終えてキョン君は嬉しそうに僕の胸に顔を埋める。可愛過ぎですキョン君…襲っちゃいますよ?


「…古泉…」

「どうしたんですか…?」


急に潤んだ声になったキョン君に少し慌てる。


「ずっと…傍に居てくれるよな…?」

「あっ…当たり前ですよ!?」


神が望む限り…とは言わないですが…。


「…お前が…神人にやられる夢みた…怖くて…。なぁ…お願いだ…離れないで…」

「キョン君…大丈夫ですよ…僕はずっとあなたの傍にいます…」


彼の柔らかな茶色い髪を撫でる。
悪夢だったなら、起こしてあげた方がよかったですかね…?


「愛してますよ キョン君…」


彼にしか聞こえない声で囁いた。


「ごっめんねぇ!掃除当番が…あんた達…なにしてるの?」


部室のドアをおもいっきり開け、涼宮さんが入って来た。
いい所だったのに。


「…ん…ハル…ヒ…んっなっ古泉!?何で俺抱きついてる…!!?」


慌てて彼は、僕から離れる。
完璧に目が覚めたらしいですね。ちゃんと説明しないと…。


「キョン君 居眠り中に僕が死んでしまう夢を見たそうでして。起きたら僕がいたものですから、寝ぼけて抱き着いてきたんです」


もちろんキスしたりした所はとばさせていただきます。
僕だって、平穏が恋しいです。

話を聞いた二人の反応を見てみる。
涼宮さんは新しいおもちゃを見つけたかのように彼を見てニヤッと笑う。
キョン君は話が進むにつれて顔を真っ赤にしていく。


「僕も猫が懐いて来るような感覚に陥りましてね。いつもより素直でかわいかったですよ」

「お…お前!!」


キョン君はいますぐ爆発しそうなくらい真っ赤になり、涼宮さんは今にも爆笑しそうな顔です。


「あ〜らあんたも可愛いとこあるじゃない?私にも見せなさいよ!バッチリ写真に残しとくから」

「うっ!うるさい!」


ツンデレな彼のあんな姿を見れるなら、たまの悪夢もいいかもしれませんね。

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