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□栄養補給
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今日も穏やかに波が流れている。

「またあいつらやってんの?」

「えぇ、かれこれ二時間になるわ」

「怪我しなきゃいいけど…」

「心配しなくていいわよ。チョッパー。船さえ壊さなきゃいのよ」

「おぅ!お前らやれやれ〜!」

「ルフィあんたは黙っときなさい!!」


彼女らの話題はこの船のコックと剣士。サンジとゾロだ。
いつも通り喧嘩している。


「くたばれクソマリモ!」

「くたばるのはお前だグルグル眉毛」









「なんだ?またやってんのか?」

「ヨホホホホ〜!これはこれは!」

「ほんっとこりね〜なぁ!」


船内にいたウソップ達も出てきて、全員甲板に出てきたことになる。


「そうだ!」


ナミがなにやら面白いことを考えたようだ。


「どっちが勝つか賭けない?一口100ベリーよ!?」

「引き分け」


全員が口を揃えて言った。


「なによ〜。これじゃ、賭けになんないじゃない!」


ムスッとしたナミを皆が笑う。
そんなことを気にせず、二人は戦い続けている。

しかし、剣と脚はそれぞれ幾度となく宙を斬る。


不意にサンジがふらついた。
相手の様子に異変を感じたが、隙を狙う本能には逆らえず、踏み込み攻撃に移った。

辛うじて働いた理性で峰打ちにしたが、ゾロが気づいた時にはサンジは倒れていた。


「…なっ!?」


斬ったほうが驚きを隠せなく、振り返って倒れた彼を見る。


「…っいてぇ!!」


すぐさまサンジは立ち上がり、攻撃が当たったのであろう肩を押さえる。


「サンジ大丈夫かっ!?」


船医であるチョッパーが真っ先に走り寄った。


「あ〜大丈夫だ。たくっ、手加減しろよマリモめ」

「………」


やっぱり様子が違う気がする。
ゾロはサンジに近づき、彼を持ち上げる。


「なっ!?」

「おいゾロ!怪我人だぞ!?」

「手荒なことはしねーよ」

「降ろせよクソッ!!」









サンジをベッドに降ろし、着ていたワイシャツをめくる。


「おぃ!変態っ!!」

「…細ぇ」


元々彼は細身だが、いつも以上に細かった。


「………」

「食べてねぇだろお前」

「…しょうがねぇだろ。大ぐらいの船長様が夜な夜な盗み食いしてんだから」


目線をゾロから離す。


「食料足りねぇのか?」

「いつ島に着くかわかんねぇからなんとも言えねぇが。ちょっと、危ないな。でも、食料配分と管理はコックの役目だ。しわ寄せは自分でしねーとな」

「倒れても知らねえからな。バカコック」

「んなヤワじゃね〜よ。クソ剣士」


沈黙が流れる。


「…ありがとよ」

「何だよきゅ…っ!?」


サンジがゾロの唇に自分の唇を重ね、言葉を止める。
不意のキスに顔を真っ赤にする。

「なっ!何しやがる!!」

「栄養補給だ。クソヤロー」


乱れたシャツを直しながら悪態をついてサンジは部屋を出た。


「…ばっかじゃねーの」


口を押さえ、鼓動が落ち着くのを待ってから部屋を後にした。



―――――――――――
あとがき

サンゾロのつもりで書いたけど、サンゾロであってんのかねぇ?

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