デュラララ
□望まない事
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「ねえ、君は俺と仕事してて楽しい?」
唐突に投げかけられた言葉。
私の上司であり、情報屋の折原臨也。
「なに?急に。ちゃんと給料はもらってるし満足だよ。楽しくはないけど。」
そう、満足だ。
私は彼が好き。
でも彼は人間すべてを愛している。
そんなことは分かってる。
「自分で言うのもなんだけど俺けっこう慕われてるんだよ?名前ももっと俺の事思ってくれてもいいんじゃない?」
私だって反発するようなことばかりいいたくない。
でもあなたは、きっと近づけば近づくほど離れていきそうで怖いの。
周りと同じじゃダメなの。
あなたに飽きられてしまう人に、“人間”になってはいけない。
「思ったらどうなるの?」
分かっているくせに。
「まあ、信者はもういらないけどね。」
「私は部下。信者になんてならないし興味ない。」
部下としての立場でいいから、あなたのそばにいさせてよ。
“人間”を愛するあなたは、私の愛を受け入れてくれないでしょう?
私の望みはそれだけ。
「私、望む事をやめたの。」
「なんで?名前が望むなら俺が叶えてあげるよ。俺は君のことを気に入ってるんだ。」
いつまで気に入ってる?
あきたら捨てるんでしょう?
望んでしまえば、私の望みは叶わないんだよ。