非日常
□1滴
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池袋の街を1人の女が歩く。
腰まである髪をなびかせる。
すれ違う人達は皆振り返る。
顔が美人なのはもちろんだが、それよりもオーラが違った。
彼女の周りだけ、なにかが違う。
あ「やっときた…。遅いよセルティ。」
セ『悪い、待たせたな。仕事が長びいたんだ。』
あ「本当にいいの?一緒に住まわしてもらうなんて…。
お邪魔じゃない?」
セ『気にするな。誘ったのは私の方だしな。
行くぞ。』
彼女はバイクに乗る。
ライトもプレートもない漆黒のバイク。
あ「首無しライダーか…。」
セ『知ってるのか?』
あ「セルティが私のとこに来た時、周りの人が言ってたんだよ。」
セ『あぁ。名無しは聴覚もいいんだったな。』
あ「うん。まあね。」
あ「池袋の都市伝説になってるなんてね。
私もなれるかなー?」
セ『なりたのか?別にいいものじゃないと思うぞ。』
あ「非日常ってけっこう楽しくない?』
セ『そうか?まぁ私たちそのものが非日常みたいなものだかな。』
池袋は新たな非日常を歓迎する。