★story★
□同じ歩幅で
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「……ァンス、グァンス」
「ん……」
名前を呼ばれて、ユサユサと肩を揺さぶられて、俺はぼんやりと目を開けた。
目の前に、ソンモの顔があった。
「起きて、こんな所で寝たら風邪ひくから」
「んー……?」
眠い目を擦りながら見上げると、仕方ないなぁ、って笑うソンモの顔が、ぐっと近づいてきた。
その手が俺の肩の下に差し込まれて、俺はソンモに抱き抱えられるように、身体を起こされる。
なんでソンモがいるんだろ、って思ったけど、周囲を見回して、すぐに状況を思い出した。
ここは、ソンモの家のリビングだ。
いつの間にか、俺はソファの上で寝ていたらしい。
ああそっか、今日はメンバー皆でパーティーしたんだっけ。
少しずつ頭が覚醒していく。
ソンモとソンジェくんが作ってくれた手料理を皆で食べて、ワインを飲んで。
でもやっぱり、ベーコンキムチチャーハンにワインは合わなくて、すぐに焼酎とマッコリに変えた。
夕方ぐらいから、改めてワインを飲み直そうってことになって……。
結構飲んだっけ。
で…………そっから、どうしたんだっけ?
「ねぇ、皆は?」
リビングはもう、すっかり片付けられていて、パーティーはとうにお開きになったんだってことは分かった。
「もう帰ったよ」
そう答えるソンモも、よく見れば髪が濡れてて、風呂上りっぽい。
俺はびっくりして、時計を見た。
「えっ、今何時!?」
「もう夜中の12時回ってるよ。グァンス、ちょっと飲みすぎたでしょ。爆睡してたよ」
すごい鼾かいてたよ、ってソンモがくすくす笑う。
久しぶりに来たソンモの家で、皆が帰ったのにも気づかないくらい爆睡してたなんて、俺、だっせぇ……。