★story★

□同じ歩幅で
1ページ/5ページ

「……ァンス、グァンス」
「ん……」

名前を呼ばれて、ユサユサと肩を揺さぶられて、俺はぼんやりと目を開けた。
目の前に、ソンモの顔があった。

「起きて、こんな所で寝たら風邪ひくから」
「んー……?」

眠い目を擦りながら見上げると、仕方ないなぁ、って笑うソンモの顔が、ぐっと近づいてきた。
その手が俺の肩の下に差し込まれて、俺はソンモに抱き抱えられるように、身体を起こされる。

なんでソンモがいるんだろ、って思ったけど、周囲を見回して、すぐに状況を思い出した。

ここは、ソンモの家のリビングだ。
いつの間にか、俺はソファの上で寝ていたらしい。

ああそっか、今日はメンバー皆でパーティーしたんだっけ。

少しずつ頭が覚醒していく。

ソンモとソンジェくんが作ってくれた手料理を皆で食べて、ワインを飲んで。
でもやっぱり、ベーコンキムチチャーハンにワインは合わなくて、すぐに焼酎とマッコリに変えた。
夕方ぐらいから、改めてワインを飲み直そうってことになって……。
結構飲んだっけ。

で…………そっから、どうしたんだっけ?

「ねぇ、皆は?」

リビングはもう、すっかり片付けられていて、パーティーはとうにお開きになったんだってことは分かった。

「もう帰ったよ」

そう答えるソンモも、よく見れば髪が濡れてて、風呂上りっぽい。
俺はびっくりして、時計を見た。

「えっ、今何時!?」
「もう夜中の12時回ってるよ。グァンス、ちょっと飲みすぎたでしょ。爆睡してたよ」

すごい鼾かいてたよ、ってソンモがくすくす笑う。
久しぶりに来たソンモの家で、皆が帰ったのにも気づかないくらい爆睡してたなんて、俺、だっせぇ……。
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ