暴君アリス

□番外編
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− * * * −






「先代さんよりキレイだにゃ」

「―…そうかよ。」

アリスに消された帽子屋の、その後釜が俺だった。


満足そうに頷くウサギ。
眠ったままのクソネズミ。

まったく ロクなもんじゃない。





愛したアリスに殺された、
あの帽子屋の仲間たち。







 アリスは いつか、

―…アリスでなくなる。 



そうして型にハメられて、
こうして役に成り下がる。





ナイフが ほしい。





それで全てを断ち切れるなら。

―…俺に、ナイフを。





ヒトに売るための帽子を被り、
帽子に埋もれて笑って死んでく。


気違い狂った愚かな帽子屋。





自分の姿を失って、
森の一部に成り下がる。





「さぁ、お茶会を始めよう」





黒い瞳がほくそ笑む。
俺も睨んで笑ってやった。



「同族嫌悪じゃ生温い。」

「やっと見つけた意味なのにゃ」



―…アリスに愛して欲しいだけ。





森を崇めるお茶会を。

アリスを讃えるお茶会を。



此処は、不思議な不思議の森。
アリスの愛を欲しがった、


イカレ狂ったお茶会場。



* * *

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