暴君アリス

□暴君アリス
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− * * * −






[おいで、ボクのもとへ。]



縋っちゃいけないものだとは、
僕らが一番 知ってたんだよ。




だけどね、アリス あなたが
―…とても優しいから。


あなたがとても、綺麗だから。





 とても 悲しい瞳を、

し て た  か ら ―…。 





 [ひ…とじゃ、なくても、]



ねぇアリス、大好きだよ。
あなたのためなら、この命だって捨てられる。

猫もウサギも他のアリスも。
それが…あなたを傷つけるなら、みんなみんな僕が僕らが。





[あいして くれますか…?]






  ア リ ス ―…







アイネクライネ、アリスの下僕。
あなたの望みは僕らの望み。


アリス 願って、叶えてあげる。



だから、お願いアリスのままで。
失わないで 自分のカタチ。




 アリス アリス。



ダ イ ス キ だ よ 。





− * * * −




「…ァリス―…。」

アイネクライネ、アリスの下僕。
 ボクの、ボクだけの可愛い下僕。

ねぇ どんな夢を見ているの?



 [ヒトじゃなくても、
 あいしてくれますか…?]



「そもそもヒトってなんなのさ」

立って歩いて喋ってる。
  見て聞いて嗅いで覚えてる。
いいでしょ別に、それだけで。


彼らはこんなにあたたかいんだ。




「―…安心をおし、可愛いアイネ」




猫もウサギも他のアリスも。
もう誰もボクを傷つけない。

そんな力がボクにはあるんだ。




だから"お願い" 傍にいて。

これだけ叶えてくれればいい。





 [安心をおし、可愛いアイネ。]





 ボクもある意味、
―…ヒトでないから。 




* * *

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