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手
を
。
伸ばして、 透けた青を睨んだ。
空を往く鳥は嘲る様に、
手を擦り抜けては視界を去る。
いつか。
いつかその羽 を。
全て、残らず、むしってやるから。
それまで精々泳ぐといい。
鳥 は 嫌 い だ 。
自分の失った空 飛び回る。
―…不愉快な生き物。
空を望まない心は ない。
かつて空にあったなら、
なおさら。
鳥は 嫌いだ。
「―…アリスの次に。」
いけないよ。
いけないよ。
いけないよ。
こ
の
森
に
入
っ
て
は
い
け
な
い
よ
。
囚われたら、もう戻れない。
寂しがり屋の住人は、
"自分と同じ"を欲しがる から。
此処は不思議な不思議の森。
不思議の森のその入り口。
全ての戯曲の始まりの場所。
「とんだグランギニョルだわ」
「それは重々承知だよ」
アリスと猫と、シロウサギ。
グランギニョルが始まります。
此処は不思議な不思議の森。
不思議の森のその入り口。
―…さあ、最後まで、
アナタはアリスで
―…いられますか?
《To Alice.》
* * *