二次創作
□静臨
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それがただの気象現象だと気付いてからも…
やっぱり時々、思うんだ。
だってそれは、こんなにもキレイなんだから。
《羽の降る夜》
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「殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す………」
「それしか云えないのシズちゃん?
あと、君がそのまま力を込めると大多数の人に迷惑がかかるんだけど、」
ミシミシと悲鳴を上げる信号機。
いつもは人に停止を知らせるそれが、今は自分の危機を訴えて赤く点滅している…
深夜の新宿、某高級マンション前。
臨也は、わざわざ池袋から殴り込んできた静雄に笑顔を向けながら、内心サイアクだと吐き捨てていた。
−…寒ッ…
震える。
近くのコンビニに行ってきただけなので、コートの下はシャツだけだった。
この時ばかりは、自分に脂肪がない事を呪ってみたり。
「あのさぁ、今日は寒いし眠いし寒いし帰ってくれない?
俺まだ仕事残ってるんだよね、シズちゃんも明日仕事あるでしょ?」
「テメェの都合なんざ聞いてねーんだよ殴らせろつーか今すぐ直ちに死んでくれると非常に助かる」
「そのセリフ全部まとめて君に贈るよ」
ふぅぅと頭を抱えながら、臨也はナイフを握りこんだ。
寒さに身を震わせながらも、
「…刺す。」
信号の機能が完全に停止する前に、駆け出した。