Wizardry

□ACT:10 Sin×CrimeB
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誰が裁けるだろう。
罪という字を指先で撫ぜる。
―…背徳?
それでも愛してしまった。

 いけないこと? それは罪?

「愛の形は自由だ」と、それならばなぜ謡ったの。
神様。どうして引き合わせたの。


 ―…残酷。だね、







《10:Sin×CrimeB》







夕暮れの式部京。懐かしい風景。
沈む意識。優しい過去。
そして愛しい、子供たちの吐息。
眠る義息子たちに微笑みかけて、昔馴染みの保健医に会釈する。


「うちのモンを頼みやさ」

「おぉ。今度奢れや」

「…お望みの酒を届けにきやす」


ドワーフ。犬のような外見をした、毛むくじゃらの種族。
茶色い毛に白衣。
20年前と変わらない、笑顔。
焼けた空。雲も色付き、一番星は輝きだした。
…変わらぬ風景。変わったのは、主役とシナリオ。

 …目覚めは待たない。

私は背を向け、我が子の眠る保健室をあとにした。



きっと、楽しいことばかりじゃァ、ないでしょう。
だけどちゃんと、信じていやすぜ。


―…辿り着いて、くれること。

* * *

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