妖逆門 小説

□背中
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あのとき



「しっかりしな」とささやいた



あの背中は――










――――




「いっけえぇ――――っ!!!」



三志郎の叫び声の後、轟音とともに相手の妖に与えられた打撃。
今の攻撃を目の当たりにした相手のぷれい屋は、信じられないというような色を瞳に浮かべている。

「どうだっすごいもんだろ〜!?」


相手の反応を見て得意気に胸を張る三志郎。

少年のそばで事を見守っていた黒い男は、ふぅ、と呆れ顔で息を吐き、
「調子に乗るな、にぃちゃん」

分かってるって!
返事さえも弾んだ声で返してくる三志郎。

不壊はその軽い矛盾に苦笑を洩らすも、すぐに顔から表情を消す。




『分かってるって!』


三志郎の言葉が、頭の中で繰り返される


言ったわりには言葉が弾んでるぞ

本当に分かってんのかよ…?



そう

言うこともできたのだが…



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