銀魂短編

□安心と証拠
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銀さんは、結構モテる。

銀さんと恋人関係になる以前からそう感じてはいたが、付き合い出した今僕はそれを痛感している。
こんな事本人には口が裂けても言えないが、実際に銀さんはかなりカッコイイ部類に入ると思う。
その上、すごく強い。
普段はどうしようもないマダオだが、いざという時には誰よりも頼りになるのだ。

僕は、ずっと銀さんの事が好きだった。
マダオな所もそうじゃない所も、全部ひっくるめて大好きだ。
でも、誰にもそれを言うつもりはなかった。
全部、自分の胸のうちだけに留めておくつもりだった。
銀さんとて、16歳の子供で、ましてや男の僕なんかにそんな事を伝えらえられても迷惑なだけだろう。
そう、思っていたのに。

まさか銀さんが、僕なんかを好きだと言ってくれるなんて・・・。

銀さんならわざわざ僕なんかを相手にしなくても、好いてくれる女性は沢山いるだろう。
元々銀さんは胸の大きな女性が好きなはずだ。
それが、僕は正反対だ。
もう何度か銀さんと体を重ねたが、その度に不安だった。
銀さんは本当に満足しているのか。

僕自身も、イマイチ自信が持てない。
男であるこの体もそうだけど、それ以上に心の部分に。
不器用だし、地味で目立たない。
それに、戦うにしたって銀さんや神楽ちゃんに比べて断然弱い。
何一つ、魅力なんて無い。
これではいつか銀さんに捨てられてもおかしくないと思う。

銀さんがどうして僕なんかをいいと言ってくれるのか、本当に分からない。

銀さんに捨てられる日も、そう遠くないのではなかろうか・・・。
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