銀魂短編
□約束
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少し前に妖刀紅桜をめぐる騒動が一件落着し、俺達はまたいつもの日常へと戻る事ができた。
「銀さん、行ってらっしゃい」
「おー」
そして今日は数日ぶりに万事屋へ依頼が入った。
依頼の内容を聞く限り大した事はなさそうなので今回は新八達は留守番させて俺1人で請け負う事にした。
出がけの玄関先へ、新八が甲斐甲斐しく見送りに来た。
そんな律儀で可愛げのあるコイツは本当に出来た嫁だと思う。
出掛けるギリギリまでコイツと居たいので、玄関先へ腰掛けたまま会話を交わす。
「ホントに身体はもう大丈夫なんすか?1人で十分なんだったら僕が行きますよ」
「大丈夫だって。んな事より、お前はメシの用意しといて。多分晩飯までには帰ってこれると思うから」
「分かりました、何か美味しいもの作りますね」
「頼むわ」
軽く頭を撫でてやれば新八ははにかむように笑った。
えへへと控え目に笑うその表情は本当に可愛らしい。
いっそ仕事なんてボイコットしてずっとコイツとこのまま戯れていたい。
「んじゃ、行ってくるわ」
しかしながらそういう訳にもいかず。
完全に尻に根が生えてこの場から動けなくなってしまう前に立ち上がる事にする。
目の前の唇をちゅっと啄ばめば、照れながらもコイツは微笑んでくれた。