銀魂短編

□サンタクロースの意外性
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銀魂高校の進級はエスカレーター式で、クラス代えが無い。
なので、基本的には3年間クラスメイト・担任共に同じメンバーで過ごす事になる。

そんな中、新八はいつしか担任である銀八に淡い恋心を抱いてた。
それは恐らくまだ入学からそんなに日は経っていない頃だった筈。
いつもいい加減でどうしようもないマダオだとは思いつつも、何故だか彼の事が大好きになっていた。

そしてそれは銀八もまた同じだった。
周りの教員や受け持ちのクラスの生徒は良くも悪くも個性派で灰汁が強く、相手にしていると流石の銀八とて毎回疲労する。
その為、素直で癖のない新八と話している時だけは大変に癒された。
気づけばその癒しは銀八にとって必要不可欠なものとなっており、いつしか自ら毎日積極的に新八へコミュニケーションを取るようになった。

その結果2人はどんどん距離を縮めていき、いつしか特別な想いを寄せ合うようになった。
それが真剣な交際へと至ったのは、2人が出会った年の年末だった。


2人が付き合い始めてから、今で丁度2年程経つ。

現在3年生の新八は、ついこの間推薦で大学に受かった。
2学期に入った頃からチラホラとクラスメイト達の進路が決まり始めているが、自分もその中へ入れた事に心底ホッとしている。

だが、真面目な新八はそれでも学業に手を抜くような事は無かった。

これまで通り無遅刻無欠席は勿論の事、授業もきちんと真面目に受けている。
それどころか、進学には必然的に資金が必要になるからとそれまで以上にバイトにも力を入れるようになった。
学業にバイトにと一生懸命に頑張る新八を、銀八も姉のお妙も見守り評価していた。

だがそんな矢先、新八が体調を崩して倒れた。
頑張り過ぎが仇となったのだ。
幸い数日の休養で体調は戻ったが、新八に対しては過保護な2人はとても心配した。
根が真面目で頑張り屋の新八、両者はこれから先もまた同じような事態が起こるのではないかと思えてならなかった。


そこで、銀八が新八を引き取ると言い出した。

だがお妙は2人の交際を知っている為、始めは断固として反対していた。
しかしお妙自身も高校卒業後は遠地での就職が決まっており、他県への引越しは避けられない。
このままだと肝心の新八に誰の目も届かなくなると、銀八はそれを強調して粘り強くお妙を説得した。

その結果、渋々だがお妙も銀八の提案を認めたのだ。

そんなこんなで、つい1カ月程前から新八は銀八と共に生活を送っている。
新八はそれまで借りていた安いワンルームを出て、ほんの僅かの荷物だけを持って銀八の元へ移ってきた。
これからお世話になりますと、改まってぺこりと頭を下げていた新八の姿は銀八の記憶に新しい。
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