銀魂短編
□特別の特別
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銀時からの甘い接吻に新八の心臓はドキドキと鼓動を早める。
ゆっくりと唇が離れた時、新八はクスリと笑って銀時の頬に触れた。
「・・・銀さん、酔ってるんですか?」
月の明かりに照らされながら笑う新八の顔はとても美しいと、銀時は思う。
そっとメガネを外してやれば、クリクリとした大きな目がより一層強調される。
もう一度目の前の唇を啄ばんで、新八の問いに答えた。
「・・・さァ、どうだろうねェ」
新八を見つめる銀時の目はとても穏やかだ。
自分の腕の中で今だにクスクスと笑い続ける新八がたまらなく愛おしくて、その全部が欲しいと銀時は心から思う。
自らの頬に触れているその温かい手をそっと外して、チロリと指先を舐めてみた。
くすぐったいと笑ってはいるものの、新八に拒む素振りは全く見られない。
それが無性に嬉しくて、今度は両手でぎゅうっと新八を抱きしめた。
「・・・新八」
抱きしめたまま、落ち着いた声でただ一言だけその愛しい名を紡ぐ。
他に言葉は何も無いが、それでも新八にはしっかりと伝わっていた。
銀時が自分を何より大切に思ってくれている事も、今からしようとしている事も。
「銀さん」
だから新八も返事をした。
その名を呼ぶ事で、自分も貴方と同じ思いだという事を伝えた。
どちらからともなく交わされた口付けは、徐々に熱を帯びていった。
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月の光の下で、2人は何度も何度もキスをする。
お互いの唇がとても温かくて、そしてとても気持ち良くて、自然と求め合ってしまうのだ。
「・・・お前、超甘ぇ匂いする」
「・・・フフッ、イチゴ牛乳のせいですよ」
ふと、銀時が呟いた。
すると新八はフワリと微笑んだ。
もう一度、もう何度目かも分からないキスを落とせば、次は新八が呟いた。
「・・・銀さんは、お酒の匂いです」
「・・・嫌か?」
「・・・ううん、大丈・・・」
嫌かと尋ねてはみるものの、銀時に止まるつもりは無いらしい。
新八が大丈夫と言い終わるのも待たずに、また1つ優しいキスを落とした。
よいしょと、銀時が新八の身体を抱え上げた。
そしてこの和室に既に敷かれていた銀時の布団へ、そっとその身体を下ろして横たえた。
ゆっくりと新八に覆い被さると、その大きな目と視線がぶつかった。
ジリジリと欲望が表に出つつある銀時、先程までの啄ばむだけの接吻とは違い新八の唇に舌を這わせた。
それに応えようと新八が遠慮がちに口を開けば、銀時の舌が入ってきた。
迎え入れるかのように新八も銀時の舌に自分の舌を絡める。
初めはただ確かめるようにゆっくりだったそれも、段々と激しさを増してくる。
新八が完全に銀時のペースに飲み込まれてしまった頃、不意に銀時の手が新八の身体中を弄り(まさぐり)始めた。
身体のあちこちを撫でるように触れるその手に、そっと己の手を重ねてみる。
すると、銀時がギュッとその手を繋いでくれた。