銀魂短編
□特別
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【2012年・銀時誕生日記念】@
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「おはようございまーす」
現在の時刻は午前10時。
新八が少し遅れて出勤してきた。
その手には大きな四角い箱が握られている。
玄関を入って足元に目をやればそこに家主のブーツはない。
新八は小さく溜息をついて部屋の中へと足を進めた。
「おはよう神楽ちゃん」
「おはようネ。遅かったアルな」
「これ、買ってきたんだよ」
ニッコリと微笑む新八が差し出したそれ。
神楽は目を輝かせて飛びついてきた。
「おぉ、奮発したアルなぱっつぁん!」
「今日は、特別だからね」
「ウチの糖分王が大喜びアルな」
「・・・で、その糖分王はこんな朝っぱらから何処に行ったの?」
新八が呆れた様子で尋ねれば、神楽もまた呆れた表情で答えた。
「今日は新台が出るとか言って、1時間ぐらい前に浮かれて出て行ったネ」
「またパチンコ?どうせ勝てないのにホント懲りないなあの人」
こんな日にまでギャンブルに興じる銀髪の姿を思い浮かべ2人で盛大に溜息をつく。
だが口ではアホだバカだと罵ってはいても新八のその背中が銀髪の不在を残念だと物語っている事を、神楽は見逃さなかった。