銀魂お題
□どうしてこうなった
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新年度が始まってから、1か月が過ぎた。
この度俺が受け持つ事になったクラスは3年Z組。
他のクラスに比べて良くも悪くも個性的な連中ばかりが集っている。
奴らは毎日毎日飽きもせずに暴れまわる。
おかげで俺が何度校長や理事長から呼び出しをくらった事か。
この調子だと卒業式の頃には胃に穴が空いてんじゃねぇかと先行きが不安で仕方がない。
そんなイレギュラーな人間ばかりの中で、まともな生徒がただ1人。
教卓の目の前の席に座る、志村新八。
見かけこそ地味であるが、持ち前のツッコミのスキルはなかなかのものだ。
授業中・休み時間・放課後等、時間帯は問わず日々それを発揮している。
クラス内には姉である志村妙がいるが、こちらは面はともかくその怪力ぶりは正しくメスゴリラだ。
姉弟とは片方がヤンチャならばもう片方は穏やかに育つといつか誰からか聞いた事があるが、どうやらそれは本当らしい。
世の中、こうして上手くバランスが取れるようになっているもんだと感心するばかりだ。
そんな志村弟を、俺は自ら学級委員長に指名した。
理由は至って単純。
雑用を手伝ってくれる助手が欲しかったからだ。
こう見えても教師とは様々な仕事を抱えている。
担当教科に関する仕事だけではなく、会議の資料を作成したり、入試に関わる事だったり、出張だったりと、やらなければならない事は山積みなのだ。
他の奴らはそんな手伝いなどしないだろうし、仮に手伝ったとしても何だかんだで余計に俺の仕事が増えるのが目に見えている。
その点、真面目で常識人な志村弟なら問題が無いと踏んだ。
LHRで俺が指名すれば本人以外の全員が賛成。
志村弟は理不尽だと怒っていたが、結局は俺の粘り勝ち。
渋々だが委員長の座に付いていくれた。