銀魂お題

□首をしめる
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あの後、吉原から帰って来れたのはやっぱり真夜中だった。

照明もついてねぇ暗い玄関にブーツを適当に脱ぎ捨てた。
あー疲れた、一先ずは座って落ち着くか。
部屋の明かりを点けて、ソファーにどかっと座った。



あー、やっぱ新八は居ねぇのか。

俺の帰りが遅い日は大体アイツ泊まってんだけどね。
今日は流石に仕方ねぇか。
何か安心したような、ガッカリしたような。
どっち付かずでよく分かんねぇ。
溜息が出るわこりゃ。


・・・考えてみりゃァ。
俺だって、ぶっちゃけアイツとこんな関係になっちまう事に多少の不安とか躊躇いはあった。
たとえ両思いだって確信はあっても、この先万事が上手くいくとは限らねぇし。

それによォ、まだ16なんだぜアイツ。
恋だの愛だのなんて事ァまだまだこれからだったろうによ。
この先普通に女と付き合って、いつかは結婚して子供授かって。
そういうごく普通のアイツの未来を俺が奪ったって自覚もあるし。
だからずっと罪悪感ってのはあった。


それにしても、これからどうなるのかねェ俺達。
別れる?それともヨリ戻すの?
つーか、今更戻んの?
俺ァこんなだし、アイツあんなに泣いてたし。
ま、もし別れるなら別れるで、きっちりケジメはつけねぇとなァ。
このまま何となーく気まずくなるのだけは勘弁して欲しい。

あぁ、ホントこりゃ完全にアレだな。
最悪は別れちまえば済むと思ってんの、俺の悪い癖。

つってもなァ。
どうすりゃいいのか全然分かんねぇんだもん。
アイツが何考えてんのか不明だし。
そもそも別れたがってたのはアイツなんだ。
やっぱここで区切りつけて、お互い自由になるのが一番かねェ。

・・・。

・・・俺さァ、今回こそはって思ってたんだけどなァ。
過去の事ァ兎も角、アイツだけはマジだったんだぜ?
だからこれまでちょっとずつちょっとずつ俺に懐かせて、そんで漸く手に入れたってのに。
不純な動機なんて殆ど捨てて(ゼロとは言えねぇけど)、銀さん頑張ったんだよ。
この先も近くに居てぇし居て欲しいって、生まれて初めて柄にも無く本気でそう思ったからな。
(ま、真っ先に俺に家族と思って良いって言ったのは新八の方だし。)

なのに最終的に行きつく先が過去と同じってのァ、情けねぇよなァ。
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