銀魂長編

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銀時へ身体の変化について白状した翌朝、新八は神楽へもカミングアウトした。



彼女とも1日の長い間を一緒に過ごす訳で、黙っていてもどうせすぐにボロを出してしまうだろうと新八は思った。
それに銀時には話してしまった以上、彼女を仲間外れにするのは気が引ける。

何より、昨夜の銀時の反応が驚く程に穏やかだった事が新八の背中を押した。



つい数分前に銀時を起こしたものの、彼は今だに布団から出てきていない。
なので現在は居間に神楽と2人きり。
彼女と向き合ってソファーへ座り、落ち着いて事情を話した。


新八から驚きの宣告を受けた神楽もまた、彼を笑ったり嫌悪するような事は無かった。

大人しく新八の話を聞き、全てを聞き終わるや否や早速隣へやってきた。
そして一昨日のお妙と同様に目を輝かせながらその身体へ触れた。


銀時とは違って無遠慮に乳房を鷲掴みにされ、新八は思わず狼狽えてしまった。

「おぉっ、ホントに乳があるアル!下半身はどうなってるネ?」
「だ、だから、今は全身女の子なの!流石に下半身は触っちゃダメだから!!」
「何でアルか?私は女、新八だって今は女。女同士だから大丈夫ネ」
「そう言う問題じゃないの!」

本当に下半身にまで手を伸ばそうとする神楽に新八は慌ててストップをかけた。
彼女の手首を掴んでこれ以上の接触を避ける。
そのあまりにも必死な様子に、仕方が無いと神楽は意外にアッサリと食い下がった。


しかしまだまだ新八の身体へ興味は尽きないらしく、再びそのふわりと膨らんだバストへ手をかけた。
先程のような鷲掴みではなく今度は丁寧に形や大きさを確かめているようだ。
マジマジと胸を眺めながら新八へ問いかける。

「Bカップぐらいアルか?」
「うーん、その辺の事は僕にはよく分からなくて・・・」
「それじゃあ下着はどうするネ?」
「姉上が買ってきてくれるんだよ。
 ・・・姉上、何だか凄く張り切ってるんだ」
「何となく想像がつくアル」


いまだにペタペタと楽しそうに新八のバストを触り続ける神楽。

そんな中、タイミングが良いのか悪いのか遅れて起きてきた銀時が居間へ入ってきた。


彼は居間の真ん中のソファーで繰り広げられるその光景に一瞬絶句するも、すぐさま2人へ駆け寄った。

「オイィィ!神楽テメー、俺の新八に何してやがんだ!」
「何って、見て分からないアルか?新八の乳を確かめてるアル」
「今すぐその手を退けなさい!コイツに触っていいのは俺だけなんだよ」
「減るもんじゃないしケチケチすんなヨ!
 大体、今の私達は女同士。これぐらい全くの無問題アル!」

朝一で言い争いを勃発させる銀時と神楽。
新八はその内容に何だか頭が痛くなってきた。

銀時が自分から神楽を引き離そうとし、神楽はムキになって自分へしがみつく。
朝からギャアギャアと賑やかな2人に新八は深い溜息をついた。

「銀さん、朝から喧嘩はやめて下さい。神楽ちゃんも、もう気が済んだでしょ?」
「うーん、まだ触り足りないアルけど、そこのマダオが喧しいから今はこれぐらいにしといてやるネ」

神楽は睨みつけてくる銀時の視線を気に留める事も無い。
それどころかヤレヤレと両手でポーズをとって銀時を嘲笑った。


「じゃあ僕は朝ご飯の用意をしますから。その間に銀さんも顔洗ってきて下さいね」
「おー」

新八は銀時と神楽へニッコリと笑いかけ、足取り軽く台所へ向かった。


その場へ残された2人は新八の背中を見送った後互いの顔を見やる。

そして神楽がジトリとした視線を銀時へ寄越して言う。

「・・・銀ちゃん。新八は今正真正銘の女子アル。アレコレするなら避妊を忘れんじゃねーゾ」
「あァ?んな事ァテメーなんぞに言われるまでもねぇよ。毎回きっちり1箱使い切ってやらァ」
「フンッ。調子に乗って新八に無体を強いたら、問答無用でアネゴに言いつけてやるアル」
「ケッ、言ってろクソガキ。俺ァ今では嫁さんの身体を第一に考える主義なんだよ。
 鳴かせはしても泣かせる事なんざあり得ねぇから」

神楽の忠告へ得意気に言い返す銀時。
だがこんな会話が新八の耳へ入れば2人揃って朝食抜きにされかねない。

互いへの牽制もそこそこに、2人は漸くそれぞれの朝の身支度へと移った。

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