銀魂短編

□鬼よりも福
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本日は2月3日、節分。
暦上は明日から春になるらしいが、現実はまだまだ冬の真っ只中だ。
毎日寒いし、外には降った雪が薄っすら積もる。
早く暖かい季節になってほしいと、街中の誰もが思っている。


そんな中でも万事屋トリオは勿論通常営業。
今だって三人揃って朝食の最中だ。

自分の作った朝食をもくもくと食べてもらえるのが嬉しい新八。
自分の食事もそこそこに、本日もニコニコと二人を眺める。
そして、機嫌良さげに言葉を発した。

「銀さんも神楽ちゃんも、今日ウチに泊まりにおいでよ」
「ん?何かあるアルか?」

突然の新八の提案に隣に座る神楽が一瞬だけ箸を止めて彼を見る。
また、向かいに座る銀時も彼女の疑問に便乗するように、静かに咀嚼をしながら目線を寄越した。

「今日は節分だからね。皆で恵方巻きを食べたらどうかって、昨日姉上と話したんだよ」
「食べ物なら大歓迎ネ!喜んで泊まりに行くアル」
「ふふ、じゃあ沢山作らないとね。あと豆撒きもしようね」
「任せろヨ!鬼でも福でも、この工場長がバッチリ追い出してやるネ」

恵方巻きと聞くや否やノリノリの神楽。
更に豆撒きと聞いて喜ぶ。
鬼は兎も角、福は追い出しちゃダメだよと新八が苦笑いするのもお構い無しに張り切り始めた。

こうして無邪気にはしゃぐ神楽は年相応で可愛らしいと、新八は思う。
なのでそんな彼女へ新八がニッコリと笑いかけた。


「銀さんも来るでしょ?」
「ん?んじゃ、お言葉に甘えて」
「えへへ、よかった」

銀時の良い返事にまたニッコリ笑う新八。
これで全員一緒で恵方巻きを食べられますねと、とても嬉しそうだ。
彼の纏うそのふわふわとした雰囲気に、銀時も神楽も何だかほっこりと温かい。

三者それぞれ、とても良い気分で朝食を済ませた。
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