銀魂短編

□素直って最高
1ページ/9ページ


【2014年・新八誕生日記念】

///

何もかもが茹だる様なこの季節。
外ではセミ達が元気よく鳴き声を発している。

万事屋のトリオも暑い暑いと毎日連呼しながらも、それなりに夏を満喫している。

花火をしたり、夏祭りにも行った。
請け負った仕事のついでながら海にも行った。
そして何より、夏に入ってからは毎日かき氷という(万事屋的には)立派なオヤツまでついている。
これにはあの甘味狂と胃拡張娘は勿論、お菓子やアイスを買うよりも随分安上がりで済むと勘定方もニッコリなのである。



そんなある日の夜、万事屋では今ささやかなイベントが進行中だった。

カレンダーが示す今日の日付は8月の11日。
その慎ましいイベントの内容とは、ここの勘定方こと新八の誕生日祝いである。
正確には彼の誕生日は翌日なのだが、有難い事に明日は仕事が入っている。
その内容が建築現場から人手補充の依頼とあり、暑い中での体力仕事で当日は心身共にヘトヘトになる事請け合いだ。
ならば余裕のある前日にゆっくりと祝えばいいと、そう言い出したのは銀時だった。

意外にも毎年きちんと執り行っている彼の誕生日祝い、たとえ日時を早めてもボリュームは例年と変わらない。
食事を皆で平らげた後、ケーキを巡ってちょっとした小競り合いが起こるのだ。

「銀ちゃんそれ絶対取り過ぎアル!厚かましいネ!おとな気無いヨ!」
「はァ!?お前ェこそ生意気にイチゴばっか持っていきやがって!
 ちったァ遠慮しやがれってんだ!」
「フン、ケーキなんてイチゴがあってなんぼアル!
 だから私は決して容赦はしないヨ!」
「あぁもう、一々喧嘩しないでよ2人共。
 何だったら僕の分あげるから」
「「主役が自らケーキ差し出してどうすんだ!(どうするアル!)」」
「何で僕が怒られんの!?」


その後また暫く一悶着あったが、とりあえず無事に全員ケーキにありついた。
万事屋メンバーの誕生日はいつもこうして大変に賑やかなのだ。

「かき氷もいいですけど、やっぱりケーキは特別に美味しいですね」
「だな。俺ァ毎日3食これでも構わねぇよ」
「それはアンタだけですよ。明日からはまたオヤツはかき氷ですからね」
「新八ィ、私もうイチゴのシロップは飽きたアル。
 次はレモンにするヨロシ」
「そうだね。じゃあ次買い物に行ったら買って来るよ」

皆でこうして和気あいあいと過ごすのは、新八にとってとても楽しい事だ。

因みに、今日の食事とケーキは銀時のお手製だった。
加えて神楽からはプレゼントだと花も貰った。

今日一日で彼らから沢山おめでとうの気持ちを受け取った新八、今年の誕生日も大満足だった。
次へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ