NOVEL

□彼女が彼シャツに着替えたら 〜藤守賢史の場合〜 (過去拍手文No10)
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彼女が彼シャツに着替えたら  〜藤守賢史の場合〜




如月
「なんか、ベタなテーマの特集ですけど、おもしろいですよ。コレ」


ある日の捜査室。
のどかな〜〜な昼休み。
手にした雑誌をひらひらとさせながら、如月が寄ってくる。
何かと思って、ページを覗いたら、


『彼女が彼シャツに着替えたら』


藤守
「ブホッッ」

思わず飲みかけのお茶を吹いてしまった。

穂積
「きったないわねぇ、藤守。なんかやましいことでもあるのかしら?」

藤守
「あっ、ありません!ないですはい」

慌てて否定する。

あっぶなーー。
翼がコンビニへおやつを買い出し中で、ホンマよかったわ。

ちょっと本編でイイオモイしたりすると、災難もついてくるってホンマやな。
気い抜かんようにせんと、アブナイアブナイ。

如月
「『彼女が彼シャツ』かあ〜。明智さんとかやっちゃうタイプですよねえ」

明智
「カレシャツって何だ?まさか、加齢臭のするシャツじゃないだろうな?」

明智さんは、自分のシャツの匂いを気にし始めた。

藤守
「まだ明智さんには早いでしょう!っていうか、あのう・・・明智さん、ソレ、真面目に言ってます?」

小笠原
「女性に自分のシャツ着せて独占欲を満たしたり、妄想を楽しむ行為。世の中の半数以上の男性は、その願望を持つというデータもある」

小笠原・・・ソレ、どこのデータやねん。
ていうか、毎っ回思うねんけど、なんでそんなデータまであるんかが不思議や。

如月
「やっぱり、白いYシャツタイプがいいですよねぇ?裾から白くってなめらかな彼女のナマ足が覗くのってたまりませんよ」

はい。
俺も大好物です。

俺はTシャツ派ですが。

明智
「き、如月、お前、なんて不埒なことを!!」

小野瀬
「ははは」

最早、当然のように捜査室で食後のコーヒーを飲んでいる小野瀬さんが笑う。

小野瀬
「穂積には無理だねえ。まず、部屋の掃除洗濯からしないと、とても彼女に着せられない」

穂積
「うるせえ。相手の女の家で、やるだけやったらさっさと帰るお前にも、そんな時間は無いだろうが」


おおお、動揺する明智さんを置いてけぼりにしたまま、始めよったで。
捜査室名物、桜田門の悪魔VS光源氏による、下ネタコント。
しかも、室長、男に戻ってます。

如月
「えーっと、着せたいものベスト3は、Yシャツ、Tシャツ、ジャージ。
ちなみに、この本によると、下着は、彼女自身のものを穿く。彼のボクサーパンツを穿く。なにも穿かない。の3タイプに分けられますね」

構わず、如月が続ける。
お前・・・何気にすごいな。知っとったけど。

穂積
「はかせねえよ、そんなもん。なんのための俺シャツだ」

小野瀬
「俺は、彼女の紐タイプスキャンティ希望。チラっと見えた時のギャップがいいよね」

如月
「俺は〜、自分のボクサーパンツをはかせちゃいますねー。お揃いのを一緒に選んだりして楽しむんですよ」

穂積
「如月、お前のシャツの丈じゃ何かはかせとかねえと下丸見えだろう。威張るな」

小野瀬
「あはは、確かにチラリズムにはならないね。明智君のシャツでも借りたらどう?」

如月
「借りませんよ!!それじゃ彼シャツの意味ないじゃないですか!ちぇー、・・・あれ?明智さん?」

明智
「彼シャツ・・・。なんてあざとい技だ。しかも、そんなに色んなバリエーションがあったなんて・・・」

アカン。明智さんが完全に自分の世界へ逝ってしまいよった。
どうやら、カルチャーショックが強すぎたらしい。

小野瀬
「・・・明智君、家に帰って早速シャツにアイロンかけたりしそうだよね」

明智
「なっ、なんで小野瀬さんに自分の行動が分かるんですか?」

明智さん・・・、アイロンかけながら、白いシャツに鼻血噴かんとええけど・・・。
そんな事を心配しとったら。

如月
「あれー?藤守さん、どうしたんですか?いつもなら率先して会話に参加するのに、静かですねえ」

ギックーーーーーン

どうしてコイツは、余計な所でいつもいつも俺を巻き添えにしたがるんかな〜、もう!

藤守
「あ、いや、如月でも背の低い彼女ならイケルんちゃうかなー?とか、考えてやっとっただけや。うん、ホンマやで?」

俺の方の話題にならんように、話をふったつもりだったのに、

如月
「背が低いってーー、・・・例えば、翼cくらい?」

明智
「おい、お前、まさか、櫻井で想像してたんじゃないだろうな?」

藤守
「想像なんかしてませんよ!!」

実践してます・・・とは、死んでも言えない。
しかも、下はノーパ・・・ゲホゴホ

慌てて否定する俺の後ろで、殺気をまとった室長がユラリと立ちあがる。

穂積
「・・・藤守・・・、ちょっとこい」

ギャーーーーーー!!!藪蛇やった!!
殺される〜〜〜〜!!



バタン。

その時、ドアが開き、皆の視線が一斉にそっちへ向いた。


「ただ今戻りました!アイスにしましたよ・・・って、あれ?皆さん、どうかしたんですか?」

相変わらずの可愛い笑顔。
ここで繰り広げられていた、男子校の昼休みから、一気に爽やかな空気へ戻る・・・ハズが。



如月
「あっっ、明智さん!鼻血でてます!!ティッシュティッシュ!!!」

穂積
「櫻井、お遣いありがとう。藤守はこっちよ〜〜」

小野瀬
「ああ、櫻井さんは気にしなくていいからね。君と食べるアイスは特別に甘いだろうな」

すかさず、小野瀬さんが翼の肩を抱き、パーテーションの奥へと引きずられていく俺に背を向けさせて、視界を遮断する。

小野瀬さんの毒牙から翼の身を守らなアカンのに、
今は俺も生命の危機や!

つーばーさー!無事でおってくれええええええ!!!

藤守
「@:*Q%&#〜〜〜〜!!!」





合掌・チーン★







「?????」

小笠原
「この人たちなら、最初から裸でいいんじゃないの?・・・くだらないよね」



Happy End?

.

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