正義ノ味方
□液体で膨らむのはスポンジ?人間だって同じだ
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「グォオォオォオ!!」
凄まじいスピードで巨大な手のひらが迫る。
「う、うわぁあああ!」
ドガッ!
化け物の一撃に白衣の男の眼鏡が割れ、彼自身の体も吹っ飛ばされた。
天井と床が回って衝撃は体を軋ませる。
「ガォオォオォオォオ!!!」
化け物の突進。2トントラックが迫ってきているような迫力だった。その突進の威力は凄まじかった。
バリーン!
「ぎゃあぁぁー!」
男の体は窓を突き破り、ビルの2階から外へと放り出された。
2階といっても巨大なビル。10mほどの高さから落下し、地面にたたきつけられた。
白衣が土にまみれ汚れる。眼鏡はすでにどこかに吹っ飛んでいた。
「フフフ…クックッ…成功だぁ!…あ」
叫びをあげた後、めまいに襲われ男は倒れた。
カイはとあるビルの情報をつかんだ。そのビルの中で行われている実験が「夜明け」に関係があるらしいのだ。割と大きめなビルで、見張りなどはいなかった。
しかし、妙な話を聞いたのだ。
このビルから化け物の鳴き声を聞いたという者や、物が破壊される音を聞いたという者がたくさんいたのだ。
「ホントか…?普通のビルにしか見えないが…」
叩き壊されたような様子の壁を発見してビルに侵入する。
研究所みたいなところらしい。
廊下には研究室らしい扉がいくつもあり、そのほとんどが静かになっていた。
いくつかの部屋は機械が運転していて低い音を響かせていた。
階段を上って音のする二階へと上っていった。
「さて、どんな奴がいるのか…」
ダイゴの恐ろしさとアヤノの冷酷な殺害を思い出しながら次の闘いを覚悟した。