小説
□再会
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嫌だ嫌だ嫌だ。
ベッドに入っても、もちろん眠りにつくことなんてできなかった。
たかみなとは、もうずいぶん長く会っていなかった。
私がAKBを卒業したのは、1人で頑張っていかなきゃという気持ちもあったから、
たかみなに連絡をすることは、どこかいけないことのような気がして、卒業後はあえてほとんど連絡を取らないようにしていた。
本当は、すぐに電話して、たかみなにぎゅーっと抱きしめてもらいたいと思ったことも何度もあった。
でも、ここでたかみなに連絡したら、今までと何も変わらないと思って1人で耐えた。
たかみなから連絡してくれれば、私はいつでも会いにいけるのに。
でも、いくらケータイを握り締めていても、たかみなが連絡をくれることはなかった。
辛いときは、たかみなにかけてもらった言葉と、抱きしめてもらったときの感覚を思い出して、ずっと1人で頑張ってきたのに……。
たかみなは、もう私のことなんて忘れちゃったのかな?
そう思うと涙が頬をつたっていった。
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