小説

□会いたい
2ページ/5ページ


今日は朝からメンバーみんなで撮影、
その後は私は個人撮影が入ってるから
たかみなとは別れてしまう。


つまり話せるのは今しかない。


たかみなはみーちゃんやにゃんにゃんと
楽しそうにじゃれあっている。

うん、やっぱり今しかない。私は決心した。


「ねえ、たかみなー」


私はたかみなの腕を引っ張った。


「うん?どうした?」


たかみなが振り返った。

みーちゃんが「なんだよ!」みたいな顔を
してるけど気にしない。


「たかみな、あのさぁ…」

さっきまでふざけていたたかみなの表情が
真面目な顔に変わった。

私が何か大事な話をしようとしてることを
分かってくれたのだ。


「今日の夜さぁ〜時間とれる?」


「今日?今日は20時頃から空いてるよ。」


「じゃあー私の家に来てよ。ご飯食べてって。
それ終わってから話したいこともあるから」


「マジで!?あっさんママのご飯食べられる 
の?やったぜ〜!!」


喜んでくれたのは嬉しいけど、
メインはそっちじゃないんだけどな。


「ちょっと、私の話も聞いてよ。」


「OK!OK!なんでも聞いてやるよ。」


本当?私が「好き」って言っても
ちゃんと聞いてくれるの?


「はーい。スタンバイ完了でーす。みなさんこちらお願いしまーす。」


もう準備できちゃったのか。もう少し話してたかったのに。


「ほら、敦子行くよ!」


たかみなは私を置いて先に行ってしまった。


たかみなは仕事熱心だから、仕事前とか
仕事中にプライベートな話をしても
あまり聞いてくれない。


私も仕事は好きだし、
たかみなを好きになったのも、
いつも真面目でひたむきなところを
ずっと見てきたからだと思う。


それに、AKBがなかったらたかみなにも
出会わなかったことは分かってる。


それでも、こんな仕事じゃなかったら、
たかみなともっと一緒にいられるのに…。


でも、今日は夜になったら
たかみなに会える。

今日は1日頑張れそうな気がした。

..
次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ