*旅に出る。

□…なんだとぅ。
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ふと目が覚めた。


辺りは一面、木…
「え?木…!?」
木がずらりと、まるで俺を囲んでいるように、生えていた。


つかー…。
俺、寝てたよね?
あれ?何で立ってんの?
てか空気美味しっ。


「じゃねーよ…」
パジャマだったのに普段着だし…。
片手には剣だし…。
鞘に収まっててかっこいいけど、重いし。

「どーすんの?俺…」


ガサガサ…っ。

何か音がした。
草がガサガサしたっ。

「なになになになに…!?」
パニック状態になった俺は、鞘に収まったまま剣を構える。

…てか構えたことすらねーよ!
でも、何となくわかるよ!


「だはーっ」
「出たーっ」
「……」
剣構えているところ、見られたら恥ずかしいから後ろに隠した。


誰かが現れた…。


「マジで疲れたっ」
「本当にねぇ…。あれ?」
草村の中から現れたのは、赤毛とオレンジ色の髪をした男と女。
どうやら、俺に気づいたみたいだ。
「こんな所で何やってるの?」
オレンジ色の髪をした女が尋ねてくる。


しまった…。
どう説明しろと…?

「んぁ?人だ!?」
「ちょっとヴェン…うるさい」
「おぅ…」


んー…。


「迷った…」
とりあえず普通に。言ったはずが、自分でも弱々しく答えていた。

「そりゃぁ…」
「迷うわよ…」
何故か2人して、嫌な顔をする。
この森、どんだけあぶねぇの…。


「あなた、冒険者?1人?よくここまで来れたわね〜…」
女は驚いていた。


いや…違うけどね?
目が覚めたらここに…。

っても、伝わらないんだろーから辛い。

「迷ったのか…まぁ、ここら辺ならオレら道わかるぞ?」
「一緒行く?」
「え…あ…いいの?」
「もちろんよ!」
笑顔で答えてくれた。

…ここ、どこだ?


とりあえずは、この2人について行くことにした。
なんか、あそこに1人でいたらヤバそうだし…。


「そだ。名前は何てんだ?」
赤毛に黄色いハチマキをしている男が聞いてきた。
「あー…悠人」
「て、ことは普民かな…?え?何?アンタ…早まりに、あそこに来たの?」
「いや死なねーよ?」

どんだけあそこ、あぶねぇんだよ…。


「オレはヴェンな!」
「あたしはエルシィー。よろしくね」
「あ…うん。よろしく」
この2人…そんなに危険な森の中から出てきたんだよな?
何者なんだ…?


「はぁ〜…にしても。今回も失敗だね」
「おぅ…そだなぁ」
「失敗って?」
「え?あぁ…冒険(しごと)がね。ちょっと上手くいかなくて」
苦笑いを浮かべるエルシィー。


だからさ…。
森(あそこ)危険なんだよな!?
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