世界最古の共和国

□凛とした子に育って下さい
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――――日本


「良いですか、女性というのは凛とたくましく、清楚でいるものなのです

内なる強さ、華やかさが備わってこその大和撫子です」


『うー…わかんない』


「あぁ、難しすぎましたかね…」


日本とカナリアは向かい合うように正座をしている



「まずは着物を着てみましょうか」


『きものー?』


「はい、日の元の女性が着ている召し物です」


『めしもの〜』


「さ、お着替えしましょうね」


『はーい!』




――――――――




着物に着替えたカナリアは、今度はその上から割烹着を着け料理の手伝いを始めた



「醤油を少々」


『しょうゆをしょうしょう!』


「お砂糖 小さじ一杯」


『おさとういっぱい!』


「中火で煮ます」


『ちゅーびでにます!』


「ふふふ(かわいいですねぇ)」


自分のセリフを副声するカナリアが可愛くてたまらない日本


そんなことを知らないカナリアはじーっと火元を見ている


「火には触れてはいけませんよ?」


『あっちっちーだもんね!』


「はい、あっちっちです」


子供ならではの単語も可愛らしい



『おいしそー…お腹すいたなぁ…』


「もうすぐで出来ますから、我慢してください」


『はーい…』



ぎゅるる…と可愛らしくなるカナリアの腹の虫



「では、取り皿の準備とお箸、それからご飯をよそってください」


『はーい!!』



トタトタ…


部屋中に響く小さな足音



やはり可愛い


カナリアの足音に耳を傾けた



トタトタ…


トタタタ…


ドタドタドタッ!!!



「えっ!?」



急に足音が変わり、重いものになった



カナリアは足を止め、日本を見た


『どうしたの〜?』


「静かにっ」


『うわあっ』



日本はカナリアを抱き上げ持っていた包丁を構えた



段々と近づいてくる足音




――――そして




「チャオチャ「曲者ッ!!」ぎゃああああっ!!」



戸が開いた瞬間、持っていた包丁を素早く投げた


足音の正体は悲鳴を上げながら床に崩れ落ちた



「ヴェッ…ヴェッ…」


「あっ…イタリアくん」


『にいちゃ〜!』



足音はイタリアのものだった



「ひ、酷いよ日本!包丁投げるなんて〜っ」


泣きながら日本に訴えるイタリア


電話もよこさずに人の家へ上がり込むイタリアくんも失礼では?


その言葉は飲み込んだ



「それよりイタリアくん、何故私の家に?」


「ヴェ〜、カナリアが心配できちゃった!」



カナリアを抱きしめたイタリア


それを見た日本はぼそりと呟いた


「兄と妹…これはいいネタを貰いました」










さて、夕食の時間となった日本宅



勿論、カナリアは日本の教育を受けているということでお箸



使い慣れないお箸に苦戦中



「お箸はこうして持つんですよ?」


『むずかしいよ〜…』


「カナリアならできますよ」


アメとムチをうまう使い分ける日本はやはり教育の仕方が違う



「日本〜今日俺も泊まっていくね〜」


「かまいませんが…」


『わーい!にちゃといっしょ!!』


「ヴェ〜っ兄ちゃんも嬉しいよ〜!」


二人は抱き合い、頬にキスを交わした



「ああっ、やはり今描かねばなりませんかっ」


日本はパソコンを取り出した


「あれ〜?日本お仕事するの?」


『するの〜?』


「えぇ、貴方たちのお陰でいい小説がかけそうですよ。さぁ、もっとお二人で戯れてください」


「うーん…よくわかんないけど、遊んでるね〜」


『ね〜』



イタリアとカナリアは再びぎゅーっと抱き合った




―――次の日、日本の目の下には深いくまができていたという




【凛とした子に育ってください】



(このままだと凛とした子に育てられそうにありません)

(何があったんだ、日本)

(あぁドイツさん聞いてください
あのイタリア兄妹は大変萌えるんですよ)

(もえる?)

(ドイツさんにはまだ早いですかね)

(は…?)

((にいちゃー!))

(ヴェ〜、カナリア〜!!)

ぎゅーっ

(ああっ…!あなたたちは私を萌死させるつもりですかっ!!)



日本が壊れてきたbyドイツ



END(2013.2/23)
 

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