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□お年玉
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「あけましておめでとう」



今年はいっぱいお年玉もらえるかな、なんて思いながら私は先輩たちにあいさつに行った。



「あけましておめでとう!」



最初に出てきたのは嶺ちゃん。



「はい、お年玉!」



気前よく出してきたのはお年玉。

勿論、嶺ちゃんはくれると思っていたよ。

まあ、まだ15の藍ちゃんは論外だとして、蘭丸は……くれないな。

ケチだから。

カミュは……ダメだ。

『愚民にやる金はない!』

とか言ってくれないな。

うん。

まあ、蘭丸みたいにケチじゃない私は藍ちゃんにはお年玉、もってきましたよ?

ええ。

藍ちゃんより年上なのに、示しがつかなくなるからね。

それに馬鹿にされそうだし。



「はい、藍ちゃんに」



私は藍ちゃんにお年玉を差し出す。



「なにこれ」



「見ての通り、お年玉だよ?」



「オトシダマ?」



「うん」



「お金ね」



「だからはい」



「何で僕に?」



「藍ちゃんが年下だから」



「僕、お金に困ってないんだけど」



「そうだね。でもはい。受け取って」



藍ちゃんの手に無理やり押し付けたお年玉。



「おい、俺には?」



「なに言ってんの? ないよ?」



「ハア?」



「むしろ、蘭丸が私に渡さなきゃいけないのに?」



「知らねえよ」



蘭丸は思い道理の反応。

さあ、次はカミュだ。



「おい愚民」



「私、愚民じゃない」



「まあいい。とにかく受け取るがいい」



カミュに出されたものはおおきな札束だった。

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