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□君が好き。
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『君が好き』
私の王子さま、赤司くんの席に座りそんな文字を書いてみる。
「これが届くといいんだけどな」
コツン、と頭を机に軽く打ち付ける。
痛い、とは思わずになにか優しい気持ちになる。
「君が好き、ねぇ」
後ろから誰かに包まれる。
この声、赤司くんだ。
後悔したらもう遅い。
だってバレてしまったんだもん。
『俺も好き』
机においてあった私のお気に入りの、ピンクのシャーペンを手に取り、優しくかつ、力強い字でそう書く。
「──え?」
「そのまんまだよ」
ちょっと涼しくなった夏に、茜色の空をバックにし君とキス。
君が好き。