ヱヴァンゲリヲン二次創作版

□ヱヴァンゲリヲン二次創作版:破 12
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ブザーと共に初号機が射出される。
「式波っ!」
シンジが叫ぶ。
「綾波!式波は!?」
レイの乗る3号機が無言である方向を向く。
シンジがそちらに目を向けるとそこには両腕と頭部を失った2号機が倒れていた。
「式波!」
『碇君…アスカをお願い』
「綾波?綾波はどうするんだよ」
『私がこいつを引き付けるわ。碇君はその隙にアスカを』
「でも…」
『速く』
レイはそう言って通信を切った。


「碇司令。EVA1号機の凍結解除の許可を」
サガミがゲンドウに言った。
「2号機は修理の為にユーロへ。凍結と同じ扱いにします」
「………解った。許可する」
「碇!」
冬月がゲンドウに耳打ちする。
「碇、予定では…」
「奴の強さは予想外だ。彼に出てもらうしかあるまい」
「しかし…」
「計画の遂行に固執し過ぎて計画自体を駄目にするわけにはいかない」
説明を聞いたあと冬月は呆れた様な顔で言った。
「解った…好きにしろ、碇」
「1号機、凍結解除!スタンバイ出来てるだろ!急げ!」
サガミは通信機にそう叫ぶと部屋を出ていった。


「通常兵器では勝てない…」
レイはエントリープラグの中で立ち上がる。
「モードチェンジ」
プラグ内の照明か赤色だけになる。
「コード666!」
レイのプラグスーツのボタンと生命維持装置が緑色に光り、レイの赤い目が青色に光り始める。それと同時に3号機のウェポンラックが弾けとび、肩から背中にかけて埋め込まれていた制御棒が一気に外れる。
〈グォォォォォ!〉
3号機が雄叫びをあげてケーブルを外して使徒に突っ込む。
使徒はA.T.フィールドを展開するが3号機は止まらずにA.T.フィールドの数枚を破壊する。
「碇君…早く!」

「プラグ内、モニター不能!」
伊吹の悲鳴の様な報告が響く。
「でも恐らくプラグ深度はマイナス…。EVAの獣化第2形態…。EVAを人としてではなく獣として扱う形態…」
リツコが呟く。
「獣化第2形態!?EVAにそんな機能が?」
ミサトがリツコに問いただす。
「ええ。ただパイロットへの負荷が激しいという欠点もある…」
リツコがミサトに説明する。
「レイ…」
ミサトは心配そうに呟いた。


「1号機はSS型装備に!換装急げ!」
プラグスーツに着替えたサガミは1号機の元で凍結解除の指揮を取っていた。
「そうだ。4号機は輸送作業を中断。発進準備!パイロット、さっさと準備しろ!」


円筒状に巻かれた帯が射出される。
「くっ…」
3号機はギリギリで回避しA.T.フィールドの破壊を続行する。
「あと…一枚…」
3号機がA.T.フィールドに噛みつき、引きちぎる。
「これで…」
使徒はコアを守る殻を閉じようとするが3号機の手が中に入り阻止される。3号機はそのまま足でコアに蹴りを入れる。使徒のコアにヒビが入る。
「あと一撃…」
3号機が足を振り上げる。しかし3号機は足を振り上げたまま糸が切れた様に動かなくなった。
プラグ内に内部電源がゼロになったことを示すアラートが鳴り響いた。


「はいはーい準備完了!後は乗るだけだよ〜」
ピンク色の第3世代プラグスーツを着たマリがケータイに返事をする。
「このプラグスーツ、胸がぴったりなのはいいんだけど、機体と番号が合わないんだけど…」
『4号機はお前の機体じゃないからな。わざわざピンクの4番なんてつくらねーよ。新型使えるだけ感謝しろ』
「どうせユーロではもっと新しいの開発中なんでしょ」
『まだ出来てない。そうそう、S2機関実装のEVAでの戦闘はお前が初だぞ』
「マジで!?EVA史に残る大事件じゃん!」
『そんなわけで。俺はいそがしんだよ。つべこべ言わずに乗れ!』


3号機の両手両足、そして頭部が飛んでいく。
「綾波!」
アスカを救出し終えた初号機が3号機な向かう。
「よくも綾波を…」
シンジの目がちらちらと紅く輝き始める。
「お前は…僕が倒す!!」
同時に初号機の緑の発光部分が赤色に光りだし、ウェポンラックが弾けとぶ。


「プラグ深度、180をオーバー。EVA初号機、制御不能!」
伊吹が報告する。
「リツコ!一体初号機に何が起こっているの!?」
ミサトがリツコに説明を求める。
「分からないわ…」
「分からないですって…?」
ミサトリツコの言葉に怒りを覚えた。
「開発責任者が何を言ってんのよ!」
「本当に分からないのよ…。EVAに拘束具を破壊する力があるはずかない…」
「拘束具…?」
リツコの言葉にミサトが聞き返す。
「そう。あれは装甲の役目も有るけどEVAを人の形に留めておくための拘束具でもあるのよ」
「輸送準備中の4号機より通信が入っています」
リツコの説明が終ると同時に青葉が報告する。
「4号機!?一体誰が!?」
ミサトが言うと同時にウィンドウが開く。
『おっ?映った。え〜4号機ちょっと借りるね〜。ちゃ〜んと返すからさ』
ウィンドウにはマリの顔が映る。
「マリ!?どうしてここに?」
マリを知っているミサトが驚いた様に言った。
「誰ですか?」
マリを知らない人間の代表として日向がミサトに尋ねる。
「ユーロの問題児よ」
ミサトが答える。
『どうしてって…ちょっとした用でね〜。どうせあれ、止めなくちゃいけないんでしょ』


初号機の眼が光り、ピンク色の光が発射される。光は使徒のA.T.フィールドを貫くとコアを被う殻を一瞬で溶かしてコアに突き刺さった。使徒は十字の爆発を起こし消滅する。
〈ウオォォォォォォォォォン〉
初号機は空に向かって雄叫びをあげた。
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