ヱヴァンゲリヲン二次創作版

□ヱヴァンゲリヲン二次創作版:破 04
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「綾波、大丈夫かな…」
シンジはマンションのエレベーターの中で呟いた。エレベーターがシンジ達の部屋の階に着く。そのまま考え事をしながら部屋の前まで行く。
「あれ?綾波?」
玄関の前にレイが立っていてインターホンに手を伸ばしていた。
「あ…あの…碇君」
レイが居心地悪そうに視線をそらす。
「良かった。元気そうで」
シンジはにこやかに笑いながら言った。
「え…」
「入りなよ」
戸惑うレイをよそにシンジは扉を開けて入っていく。レイもそれに続いた。


仕事を終えたサガミは家の近くの公園のベンチでインターフェイス・ヘッドセットにもなるヘッドフォンで音楽を聴いていた。目を瞑って音楽に集中していたサガミだったが、人の気配を感じて音楽観賞をやめる。目を開けてヘッドフォンを耳から離す。目の前に立っていたのは白いブラウスと赤系のチェックのスカートを履いている小柄な少女だった。
「ルカ?日本に来ていたのか!?」
ルカと呼ばれた少女はサガミの座っているベンチの隣に座る。
「久しぶりですね、サガミさん」
「どうして日本に?」
「作戦です」
サガミの質問にルカが答える。
「他に誰か来ているのか?」
サガミがさらに質問する。
「それが…。マリさんも来ていたんですがはぐれてしまって…」
ルカが困ったように答える。
「まさか風に流されたか?」
「すごいっ!どうして解ったんですか?」
サガミの嫌な予感は的中した。
「いや、なんとなくそうかなと…。ところで作戦とは?」
サガミが作戦内容について尋ねる。
「それは…。ここの皆さんと仲良くすることです」
「は?」
ほのぼのとした作戦内容にサガミの思考が一瞬停止する。
「アンナさんの指令?」
「いいえ。ミカさんの案です」
「何でる?」
「計画の最大の障害となりうるフォースチルドレンの覚悟を鈍らせるだめです。仲良くなれば私を攻撃するのを躊躇うだろうって」
ルカはにっこり笑いながら言った。
「確かに…。マイペースなノアやマリとかドSのミカは適任じゃないな」
ルカを見ながらサガミが答える。
「つまり、しばらくは日本にいるんだな?」
「はい」
「じゃあミサトさんに挨拶に行ってみるか」


シンジは紅茶を二人ぶん入れてテーブルに置いた。
「ごめんなさい。碇君」
「どうしたの?綾波」
急に謝りだしたレイにシンジは戸惑った。
「碇君がせっかく仲良くしようとしてくれたのに私は全然話そうとしなかったわ」
「そんな…気にしてないよ」
「碇君、私と仲良くしてくれる?」
「もちろんだよ」
「碇君、あの…え〜と」
「どうしたの?」
「スラーヴァ君に会話を続けるように言われたんだけど」
「サガミ君が?綾波は何が好きなの?」
苦笑したシンジが聞き返す。
「好き…?わからないわ」
「じゃあ今度僕と町に出掛けようよ。綾波の好きなものが解るかもしれないよ」
シンジはにっこり笑って言った。
「あの…碇君」
「ありがとう碇君」
レイが微笑みながら言った。
「どういたしまして」
シンジも笑顔で答える。


「紹介するわ。ユーロのパイロット候補生のルカ・インペリューズよ」
サガミの部屋のリビングにてミサトがシンジとレイに紹介する。
「ルカ・インペリューズです。しばらく日本にいます。よろしくお願いします」
ルカが礼儀正しく挨拶する。
「しっかしルカが来るとはね。他の奴等は元気なの?」
アスカが聞いた。
「はい。ノアさんもマリさんもミカさんも元気ですよ」
「コネメガネやサド女の事なんか聴いてないわ」
アスカは嫌そうに言った。
「そう言えばユーロにもEVAってあるの?」
シンジが聴いた。
「はい。今5号機があります。あと8号機を開発中です」
ルカが答える。
「5?8?3号機とか4号機とか6号機とか7号機は無いの?」
シンジがさらに質問する。
「3、4号機はアメリカが、6、7号機はネルフの上層組織が直接作っているらしいです」
「どうしてそんなに情報が少ないの?」
「ネルフも一枚岩じゃないってことさ」
シンジの質問に今度はサガミが答える。
「どの支部も何時敵になるか解らない。いや、既に水面下での争いは始まっている」
「サガミ君は…敵にならないよね」
シンジが不安そうに呟く。
「さあ…どうだろうな」
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