ヱヴァンゲリヲン二次創作版

□ヱヴァンゲリヲン二次創作版:破 12
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無数の砲弾が虹色の壁に当たっては消えていく。骸骨頭で黒いミイラの様な体を持つ使徒が第3新東京市に向かって飛んでいる。


「総員、第1種戦闘配置。地対空迎撃戦、用意」
ネルフ本部はこれまでの使徒迎撃戦以上に騒然としていた。
「目標は?」
「現在も進行中です。旧小田原防衛線を突破されました」
冬月の質問に青葉が答える。
「式波・アスカ・ラングレー、サードチルドレン到着。発進準備に入ります」
「2号機の準備を最優先。拘束具全て外せ。パイロットの搭乗までに間に合わせろ」
アスカ到着の知らせを受けたサガミがユーロから連れてきた整備班に命令する。
「葛城一佐、2号機の発進位置は?」
サガミがミサトに指示を仰ぐ。
しかし返事を聞く前に使徒の眼が光り震動と共に画面が砂嵐になる。
「最終装甲板融解!」


プラグスーツに着替えたアスカはゲージへと走っていた。
「24層ある装甲板を一撃で!?なによそれ。チートじゃないの?」


降下するカートレインの中でシンジは呟く。
「此処まで衝撃が来るなんてただ事じゃない。急がなきゃ」


モニターの中の使徒が体に巻き付いている黒い帯をほどきビームで開けた穴に入っていく。
「パイロット到着。EVA2号機、発進準備完了」
『EVAの地上迎撃は間に合わない。2号機をジオフロントに配備。初号機と3号機は発進後2号機の援護!』
「EVA2号機発進」


2号機の前方には崩れたビルと穴の空いた天井がある。
「さて、病み上がりのサガミには任せて置けないし。今回の使徒は間違いなく過去最強ね」
ブザーが鳴り2号機の後ろに3号機が射出される。
「ファースト、いや、あえてレイと呼ばせて貰うわ。勝つわよ」
『解ったわ式波さん』
「ええぃむずむずするっ!アスカで良いわよ」
天井の穴から使徒が顔を出す。
「一気にカタをつける!」
2号機が両手にライフルを持って連射する。3号機は両手に対物ライフルを持って交互に撃った。
しかし使徒はA.T.フィールドを幾重にも重ねて防御する。
「A.T.フィールドが強すぎる。こっからじゃ埒が明かない!」
アスカはそう言って通信をライフルを捨てる。
「こうなったら、零距離で攻撃する。援護は頼むわ」
『了解』
2号機はソニックグレイブとハンドガンを持って使徒に突進し、3号機は2号機が捨てたライフルを拾って使徒に向かって撃った。
3号機の射撃を使徒がA.T.フィールドで防御している隙に2号機が使徒に接近し大きくジャンプする。
「でえぇぇぇやあぁぁぁぁ!!」
2号機が使徒にソニックグレイブを突き立てる。甲高い音がして肉眼で視認できる程のA.T.フィールドがソニックグレイブを防ぐ。
「まだぁ!」
2号機はそのままハンドガンを連射する。しかし使徒のA.T.フィールドを破ることができない。
「ならばっ!」
さらに2号機は肩のウェポンラックに装備されたペンシルロックを全撃ち込む。しかし使徒のA.T.フィールドはそれさえも耐えきった。使徒の眼の奥に光が発生する。
「くっ…」
(避けられない!)
アスカがそう思ったとき不意に青白い光が使徒に直撃して使徒は攻撃が止まる。
(今なら!)
アスカはその隙に2号機を使徒から離れさせる。
「助かった。ありがと」
アスカはポジトロンライフルを構える3号機に向かって礼を言う。
『いいえ。でもこれなら使徒のA.T.フィールドを貫ける』
「あたしが囮をやるわ。あんたはその隙にコアを」
『危険よ』
「承知。さっきの借はこれでかえす」
『…解ったわ』
2号機は3号機が落としたライフルを拾って走り出す。
「さっさとこっち向きなさいよ」
2号機はライフルを撃ちながら使徒の注意をそらす。
「おらぁっ!」
さらに2号機は肩からプログナイフを抜いて使徒に投げつける。
『充電完了』
「よっしゃあ!」
充電完了の知らせを受けたアスカは2号機を3号機の前へ持ってくる。
「今よ!」
レイが無言でトリガーを引く。
ライフルの銃口から放たれた光は使徒のA.T.フィールドを貫きコアへと一直線に伸びる。しかし光はコアに届く寸前に白い殻がコアを守る様に閉じた。
A.T.フィールドを突破して威力が減衰していた光は殻に遮られ霧散した。
「なっ…!」
『…』
使徒の黒い帯が円筒状に巻かれていき、使徒が2号機の方を向く。
「来る…!」
アスカは2号機を走らせ様とする。
しかしその瞬間に巻かれていた使徒の帯が一気に伸びて2号機の両腕を根本から持っていった。
『アスカ!』
「ぐぅ…」
アスカはシンクロによって生じるフィードバックを肩に爪を食い込ませることで耐える。
(何?今の…見えなかった…)
使徒の帯が再び巻かれていく。
(次も避けられない!)
使徒の帯が2号機の頭を吹き飛ばした。
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