ヱヴァンゲリヲン二次創作版

□ヱヴァンゲリヲン二次創作版:破 08
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ネルフ本部の中空モニターに通信途絶の文字が踊る。


「消滅!?EVA4号機と第2支部が消滅したの!?サガミ君は?」
風呂上がりのビールを楽しんでいたミサトは緊急の連絡を受けて立ち上がった。
「そう…生存者は確認できず…。今行くわ」
ミサトは携帯を仕舞うと着替えの為に部屋に戻ろうとした。
「どういう事…?」
ドアの前には茫然自失といったようなアスカが立っていた。
「アスカ…」
「どういう事って聴いてんのよ!」
「現在調査中よ。私はネルフに行くわ」
ミサトはアスカの横を通り抜けて着替えに行った。


「T+10 グラウンド0のデータです」
青葉がVTRを再生する。アメリカの第2支部から十字の光が上り周りが闇に飲み込まれていく。
「酷いわね…」
ミサトがVTRを見ながら呟く。
「リアルタイムで送られたデータによると消滅の直前にS2機関の出力が急上昇している事が解りましたが原因は不明です」
「S2機関?」
日向の報告にミサトが聞き返す。
「EVA4号機はS2機関搭載EVAのテストベットだった…らしいわ」
「らしい?」
リツコの曖昧な説明にミサトが聞き返す。
「北米ネルフの開発情報は赤木センパイにも十分に開示されていないんです」
伊吹が解説する。
「では、これにて緊急会議を修了します」
司会の日向が言った。
「ちょっと待って、最後に一つだけ。サガミ君はどうなったの?」
ミサトがリツコに聴く。
「4号機自体は損傷していない。でもS2機関の暴走がどう影響するか解らないわ。それに…」
リツコが眼鏡をはずす。
「生きていてももう戻って来れないわ」


「ナナヒカリ、起きなさい!」
アスカはシンジの部屋に飛び込みシンジを蹴り起こす。
「いたた…アスカ!?どうしたんだよ!?」
シンジは泣きそうになっているアスカを見てすぐに目をさました。
「サガミが…サガミが消えちゃったの」


「なんや今日はパイロット一人か」
鈴原トウジがクラスに入ってレイのそばまで来る。
「他はどないしたんや?」
「碇君と2号機の人は休み」
「サガミは?」
「…知らない」
レイは暫く考えた後答える。
「サガミとシンジは同室なんやないんか?」
「…知らない。じゃあ…」
レイは立ち上がる。
「そう…か」
鈴原は教室を出るレイを見送った。
「大変だ大変だ大変だー!」
レイと入れ違いに親友の相田ケンスケが入ってきた。
「ちょ…どないしたんや、そんな急いで」
「じ…実は…」
「相田ァ。先輩にぶつかっといて挨拶無しとはどうゆうことだ!?」
ケンスケが話し始めたところに長良スミレが多摩ヒデキを引きずって入ってきた。
「な…長良先輩!すいませんでした!」
入ってきた人物を見てケンスケは直ぐに謝る。
「で、何が大変なんだ?」
スミレが相田に聴く。
「あ…ああ、その…。先輩も知ってる筈ですがエヴァンゲリオン1号機パイロットの話なんですが」
「1号機?あの蒼い方か?」
「そうですでそのパイロットが…」
「なんや…サガミがどうかしたんか?」
なかなか話が始まらないのでトウジがイライラしてくる。
「消えたんだ」
「「「へっ?」」」
「アメリカで試験中の4号機と一緒に消えちゃったんだ」



トウジとケンスケはシンジの部屋の前に来ていた。
「碇…今いいか」
インターホンを鳴らして呼び掛ける」
「ナナヒカリは今無理よ」
中から出てきたのはアスカだった。目が赤い。
「サガミのこと、調べたんでしょ」
「ああ」
「じゃあ、今のシンジには何も言わない方がいいわ」
アスカはそう言ってシンジの部屋から出る。
「どこいくんや?」
「帰る」
アスカは隣の部屋に入って行った。



松代に黒い巨人が降り立つ。
「ホントに大丈夫なんでしょうね」
ミサトがそれを見ながらリツコに問いかける。
「大丈夫よ。3号機にはS2機関は搭載していない。2号機と大差ないわ」


「後はリツコに引き継いて良さそうね」
ミサトはそう言って伸びをする。そこへミサトの携帯がなる。
「秘守回線?レイから?」
ミサトは携帯に出ながら地下から外にでる。
『葛城二佐、このプラグスーツ、見えすぎです』
「あはははは。これでシンジ君もイチコロね」
ミサトは冗談めかして言った。
『碇君とそんな間柄じゃありません』
「そうかしら?」
『葛城二佐、この実験は重要なんですね』
「そうよ。サガミ君が居ない今、あなたが3号機に乗ってくれればずいぶん楽になるわ。頼んだわよ、レイ」
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