ヱヴァンゲリヲン二次創作版

□ヱヴァンゲリヲン二次創作版:破 04
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券売機のスイッチが押される。唐揚げ定食(大盛)と書かれた紙が落ちる。
「お前も何か頼め」
レイは券売機のスイッチを押す。落ちてきたのはラーメンの食券だった。


食事が届いた二人は昼を過ぎて誰もいない食堂で食べ始めた。サガミの方が食事の量が多いが、猛スピードで食べたため食べ終わったのはほぼ同時だった。
「で、何で休んだんだ?」
サガミが食べ終わったレイに聴いた。
「碇君に会いたくなかった」
「碇?」
「碇君に司令を取られた。私はもう様済み」
「チルドレンは希少だ。様済みの訳がない」
「でも…私はEVAがなければ人と繋がれない」
「本気で言っているのか?」
サガミが立ち上がる。
「碇が、アスカが、ミサトさんが、俺が、綾波がEVAに乗れなくなった程度で綾波を様済みだと思うと本気で思っているのか?」
「私には他に何も無いもの」
「綾波レイ!お前は勘違いしている!お前は人と繋がれないんじゃあない。自分で繋がりを、絆を切っているんだ!」
「…!」
「もう少し素直になったらどうだ?」
サガミはそう言うと食堂の出口に向かっていく。
「会話を続ける努力をしろ。俺からのアドバイスはここまでだ」
サガミは振り返らずにそう言うと食堂からでていった。


「こんなの俺の役目じゃねえよ」


『作戦に到達』
航空機の中に男性オペレーターの声が響く。
「りょーかい。降下準備に入りまーす」
「こちらもOKです」
降下ハッチのそばで二人の少女の声がする。二人とも白いブラウスと赤系のチェックのスカートを履いている。一人は緑色のネクタイを、もう一人は同じ色のリボンを着けている。二人ともヘルメットで顔は見えない。
『降下後、B-5ポイントへ。降下失敗時は直ちに連絡を入れろ。では作戦開始!』
女性の作戦指揮官の命令を聞き、二人の少女は飛行機から飛び降りた。
「イヤッホー!気持ちいいー」
ネクタイを着けた背の高い方の少女が叫ぶ。
「そんなにはしゃいでて、風に流されても知りませんよ」
リボンの背の低い方の少女が注意する。
「大丈夫だいじょ…、っておわぁぁぁ」
突風が吹いて背の高い方の少女が飛ばされる。既に背の低い方の少女の声が届かない所に飛ばされている。
「やばっ!」
少女はパラシュートを開き、近くにあった学校の屋上に着々しようとする。
「って誰かいる!」
少女は屋上で音楽を聞いている少年を見つけて焦るが既に軌道修正は不可能だった。
「どいてどいてどいてーっ!」


真希波・マリ・イラストリアスは一瞬気を失っていたが胸の下で何かが動いているような感覚で目が覚めた。
「いてててて。ん?」
自分が何かを下敷きにしていることに気付く。しかし眼鏡が無いためぼんやりとしか見えない。
「え〜と、眼鏡眼鏡〜…」
たっぷり10秒以上かけて眼鏡を探し、新調したばかりのウルトラアイのような眼鏡を装着する。するとそれを待っていたかのように無線が鳴る。
『もしもし?』
マリが英語で出る。
『報告は受けた。今どこだ?』
先程の女作戦指揮官だった。
『どっかの学校』
『目撃者はいないな?』
『誰かいる』
マリが答える。
『何!?口止めしろ』
作戦指揮官が命令する。
『口止め?襲っていい?』
マリがふざけたように言った。
『…見なかった事にしてくれと言うだけでいい』
作戦指揮官の疲れたように言った。
『りょーかい。じゃあ』
無線の電源を切り、目撃者に向き直る。そこでマリの鋭い嗅覚が反応した。
(LCLの臭い?)
マリはそれを確かめるため目撃者の少年に近づき臭いを嗅ぐ。
「君、いい臭い」
マリはLCLの臭いだと確信する。
「LCLの臭いがする」
「なんだよ!血生臭いって言いたいのかよ」
少年が言い返す。
(LCLを知ってる?ああ。そっか。この子がフォースの子か)
マリはその少年、碇シンジの質問に答えずに立ち上がる。
「君、面白いね」
そう言うとシンジが落としたS-DATを拾った。
「じゃ、この事は他言無用で、本部のわんこ君」
シンジにS-DATを手渡しマリは去っていった。
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