ヱヴァンゲリヲン二次創作版

□ヱヴァンゲリヲン二次創作版:序 04
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使徒は第3新東京市の中心まで来ると体の下の方をドリルのように変形させて地面を堀始めた。

「現在目標は我々の直上に侵攻、ジオフロントに向けて進行中」
オペレーターの日向が現状を報告する。
「奴の狙いはここ、ネルフ本部への直接攻撃か。では各部署の分析結果を報告して」
作戦部長のミサトが場を取り仕切る。
「先の戦闘データから目標は一定距離内の外敵を自動排除するものと推測されます」
「EVAによる近接戦闘は無理ということね」
職員の男の報告にミサトが妥当と思われる判断をする。
「ちょっと待ってください」
そこにタボルベースの技術者として会議に参加していたサガミが口を挟む。
「周りに大量の兵装ビルがあるにも関わらず使徒はビルを攻撃していません。しかしEVAだけは接近中に既に敵と見なされていました。恐らくEVAが出てきた時点で狙い撃ちされるでしょう」
「EVAによる狙撃も無理か。A.T.フィールドはどう?」
「健在です。おまけに位相パターンが常時変化しているため外形も安定せず中和作業は困難を極めます」
ミサトの質問にオペレーターの伊吹が答える。
「MAGIの計算では、目標のA.T.フィールドをN2航空爆雷による攻撃方法で貫くにはネルフ本部ごと破壊する分量が必要との結果がでています」
日向が補足する。
「松代のMAGI2号も同じ結論を出したわ」
技術部のリツコがさらに結果を補強する。
「タボルベースから持ってきたポジトロンキャノンなら一応貫けますよ。日本中から電力を集めれば、ですが」
サガミが言った。
「現在日本政府と国連軍が、ネルフ本部ごとの自爆攻撃を提唱中よ」
「対岸の火事と思って無茶言うわね。ここを失えば全てお仕舞いだって言うのに」
リツコの言葉にミサトはそう返した。
「しかし問題の先端部は装甲複合体、第2層を通過。既に第3層まで侵入しています」
「今日までに完成していた22層全ての特殊複合装甲体を貫き、本部直上への到達予想時刻は明朝0時06分54秒。
あと10時間14分後です」
職員の男とオペレーターの青葉が報告する。
「状況は芳しくないわね」
「白旗でも挙げますか」
「それともリリス担いでトンズラするか。多分途中で見つかりますが」
ミサトの言葉に日向とサガミが冗談を返す。
「いい案ね。でもその前にちょっちやっておきたい事があるの。サガミ君、そのポジトロンキャノン貸してくれない?」
「まさか…」
「そのまさかよ…」
後に引けないことは全員がわかっていた。
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