黒子のバスケ


□イジワル
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「修造、お茶」
「はいはい」

本日、我が儘お姫様がいらっしゃってます



台所にある麦茶とコップを持ち、我が儘なお姫様こと宮地清志の隣に座る
宮地はソファーに座り、バスケ雑誌を読んでいる
こういう所はバスケバカだから仕方ない

麦茶をコップに注ぐ

「はい」
「ん…」

雑誌から目を離さずにコップを受け取る
何がおもしろいのかよくわからないが目にとまるものがあったのだろう
自分の分の麦茶をコップに入れ、横目で宮地を見る

いとこ同士なのでちょくちょく電話やメールはするが、会うことはない
理由は俺が北海道に住んでいるから
北海道と宮地が住んでいる東京とは結構距離がある
そのため、片方がどちらかに寄るなどしないかぎり会うことはないだ

しかし、今日の宮地はどこかに用があってきたわけではないらしい
現に、どこにも行かず、ここにずっといるのだ
何がしたいのか分からないが、雑誌に夢中なので放っておく

コップに入れた麦茶を口に流し込む
北海道といっても、夏は暑いものは暑い
今もクーラーが効いている室内にいてもほんの少し暑い


もう一度、宮地を見る

相変わらず、顔は整っているなと思った
実年齢は俺より1コ上なのだが、童顔のせいで同じぐらいか、下手したら俺より年下に見えてもおかしくない
目デカいし…

まあ、それを本人に言ったら殺されるかもしれない
否定は出来ないな…

視線を感じたのか、宮地が初めて顔を上げた
少し不満そうな顔をしている

「……なんだよ」
「特に?」
「じゃあ、邪魔すんな。轢くぞ」

…相変わらずお口が悪いようで
人のことを言えないのは分かっているが、いまは棚の上に上げておこう
またしても雑誌を見出した宮地に問いかける

「…今日はどうした?」
「…は?」

もう一度、顔を上げた宮地は意味がわからないというように、眉を寄せた

「いや、だからなんで此処まで来たの?」
「…別に、俺のかって」
「お金だってかかるだろ?用もなさそうだし」
「…」
「最近、推しメンのグッズ買ってないだろ?」
「!!」
「推しメンに使うより、こっちに来るためのお金貯めてるの?」
「!!ばっ、ちがっ!!」
「違うの?」
「っ…」

ああ、可愛らしいお姫様だこと
俺の質問に赤面する宮地を見て思った

いっつも本音を言わないで嘘をついてしまう宮地が可愛くて仕方がない
その後でしょんぼりするのを知っている
もう、何時までも愛らしい


「俺のこと好き?」
「ち、違うっ!!」
「清が俺のこと好きじゃなくても、俺は清のこと、好きだよ」
「っ!!」

顔を真っ赤に染めている宮地をソファーの上に押し倒す

「なっ!!やめろ!!パイナップルで殴んぞ!!」
「別に、怖くねーよ」
「っ!!」

宮地の暴言は絶対に実行されることはない
ただの恥じらいなのだから

押し倒した宮地に顔を近づける
そして、唇を重ねる
少し目を開き、宮地を見ると宮地は目をギュッと閉じていた
まだこういう行為に慣れていない宮地は可愛い

そんな宮地にイジワルしたくなるのは当然で


ふれていただけの行為を深くするために、宮地の口に舌をねじ込む

「ふっ!?」

いきなりのことに目を見開いた宮地に笑いかける
多分、少しイジワルな目になっているんだろうな、と思いながら行為を深くする


「…ふっ…ん…」

くちゅくちゅと卑猥な音が聞こえてくる

少しすると宮地が胸板を叩いてきた
苦しくなってきたんだろうと思い、顔を離す
二人の舌を繋げるように銀の糸が伸び、切れた
宮地を見ると、涙目になりながら、俺のことを睨んできた

「いきなり何すんだよっ!!」
「欲しかったろ?キス」
「い、いらねーよ!!」
「嘘つけ、気持ち良さそうだったろ」
「っ…」
「期待してたって言えよ。そしたら続きもしてやるよ?」
「!!」
「どーする?」

多分、今日の俺は結構黒いかもしれないw

「…イジワル」
「前からだろ?」
「っ…、修っ!!」
「何?」
「つ、続き欲しいっ!!」
「…了解しました、お姫様」


涙目で赤面している宮地を押し倒さなかったのは頑張った








イジワルしたくなるに決まってんだろ

口が悪くて、童顔で、ツンデレの可愛い俺のお姫様
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