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□言いたいよ
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俺には好きな人がいる
でも、彼女は思いを寄せている他の男がいた
しかし、彼女の思いが伝わることはない
それでも、彼女は諦めきれていなかった
『…諦めたほうがいいってわかってても、急に諦めることなんか、出来ないんだよ』
悲しそうに笑った彼女
俺だって、彼女のことが好きなのに、諦められない
…俺も、彼女も、おんなじなんだ
『…明日、告白してみる』
「…え?」
突然言い出した彼女は少しだけ微笑み、そうしたら、諦められる気がするからと言った
叶わないはずなのに、彼女は告白すると言った
俺は、何も言えなかった
次の日の放課後、教室に行くと、彼女は泣いていた
そんな彼女のそばに駆け寄り、頭をなでる
『…っわかって、たよ?断れるって、…わかってたけど、辛くてっ』
一生懸命言葉にしようとする彼女の頭をなで続ける
グズグズ泣いていた彼女は顔をあげないまま、ありがとうとつぶやいた
『真琴君。私、もう恋しないよ…』
「えっ…」
顔をあげた彼女は、疲れきった顔で笑ったいた
『恋なんてしなければ、こんなに辛くないから…』
彼女の笑った顔が好きだった
彼女が楽しそうに話てるのが好きだった
そんな君を俺は、好きになってしまったんだ
恋をすることを止めた君に、好きになってなんて言えるはず、なかった
俺も、君に告白すれば、諦めることが出来るかな?
君が恋することを、諦めたように…