黒子のバスケ


□I love you.
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(伊月視点)



「 別れましょう 」




その一言がとても重たく感じた
それを聞いたあの人は驚いた顔をして、引きつった笑顔を俺に見せて

「そう…」

と、呟いて、

「…じゃあね」

って、俺に背を向けて行ってしまった
あのひきつった笑顔と消えていく背中を見て、心がキリキリと痛んだ
熱くなった目頭から出て来るものをおさえながら、これはあの人のためなんだと心の中で繰り返していた




俺はあの人と付き合っていた
どっちも男だったけど、俺はあの人のことが好きだった
一緒にデートしたり、キスをしたり、とても楽しかった


でも、男同士ってのが邪魔をしていて…
あの人の未来の邪魔をしているんじゃないかなって思い始めちゃって
それでも好きだっていわれて、キスをされれば、そんなこと忘れるくらい嬉しくて
俺が女だったらなとか、一人で考えて
でも、だからこそ普通の生活を送って欲しかった
将来、キレイな女性と結婚して子供を産んで、暖かい家庭を築いて欲しかった







…それはただの建前

いつかあの人が俺じゃない他の女性を好きになって、捨てられるのが怖いだけ
いつか訪れてしまう未来を迎えないために、あの人に依存してしまう前に…






…でも、でも、



「まだぁ…好、きなん、ですよぉ…」



諦められなくて、諦めたくなくて、
止まらない涙を隠すようにその場にうずくまった












(気持ちはもうあなたには届かない)
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