時を越えて(完)

□なな
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剣心とりのが京都へと旅立った二日後ーーーーー



左之助はりのと剣心が流浪人に戻り黙って京都へ行った事に腹を立てていたが、斎藤との一戦を終えて 剣心の後を追い京都へ向かった。





一方の薫は…



剣心がりのと共に京都へ行った事に傷付いていた。










わかっていた、
私では足手纏いになる…
りのならば剣心の力になれる…
それに二人は想い合っている。

それも十年以上前から。
自分の入る隙間は無い…

それでも捨てきれなかった
想い。

同時にりのを大事だとゆう思い。

りのはずっと私を気にしてた…。

いつも一定の距離を保って
剣心と接して…

一度剣心に言われた事がある
神谷道場を出るかもしれないと、

一緒に住む事も出来た筈なのに
りのはずっと断り続けていた。

きっと、全て私を思って…

私が寂しくない様に…

りのだって一人なのに…

ガラッと障子が開いて そちらを見れば恵が立っていた。

「貴女こんな所で何してるの」

「………」

「りのさんから伝言よ。"そんな所で何してる、グズグズしてる暇があるならサッサと京都へ来い"だそうよ」

「…恵さんにもりのにもわからないのよ!さよならを言われた私の気持ちなんて!!」

「それはお互い様よ。さよならすら言ってもらえなかった私の気持ちなんて、貴女には分からないわ…。そして…さよならすら"言えなかった"りのさんの気持ちもね」

「え…?」

顔はハッとして顔を上げると部屋から出て行こうとする恵の後ろ姿。

恵さんの気持ち…


さよならすら"言えなかった"りのの気持ち……


何 してたんだろう…

二人とも大事な仲間、かけがえのない人達…

でも私の気持ちは…




恵が出て行った後、弥彦が姿を見せると 薫を叱りつけた。

「何 モタモタしてんだ オラ、さっさと支度しねーか!行くぜ!京都!!」

「でも…」

「でもも くそもねェ!わかんねーのかよ、それってつまり 剣心にとってりの以外で お前との別れが一番名残り惜しかったって事じゃねーか!りのが何も言えなかったのだってお前との別れが一番辛かったからじゃねーか!今まであいつ等の何を見てたんだよ!いいか、あいつ等を連れ戻せる一番の人間は 誰が何と言おうとお前なんだ!留守の間 道場は恵が見てくれる!その代わり これは お前の手から二人に渡すんだ!答えろ薫!お前は二人に会いたくないのか!」


弥彦は恵から預かった薬をグッと握り薫を見据える

「私…私は…」

側にいた妙と燕が 薫の名を呼び気持ちを奮い立たせた。



………会いたい


「二人に… 会いたいよ!」

行こう 京都へーーー

「よし それじゃあ決まりだな! あいつも大事な仲間なんだって思い知らせてやろーぜ、りのに!」



二人のいる 京都へ。
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