短編〜中編

□君の全て
2ページ/42ページ

『 りのと申します』

無闇に高鳴る心臓を必死に抑えながらさり気なく隣に寄り添う

剣「 りの…いい名前でござる、拙者は緋村 剣心。今は神谷道場に居候してる故、何か困った事があったら気にせず声を掛けて欲しいでござる」

『はい、その時はよろしくお願いします』



帰り道を共に歩けば彼女がどれ程人気があるのか良く分かる

道行く人達に声を掛けられては笑顔でそれに答える

嫌な顔一つせず終始笑みを絶やさず話に耳を傾ける



加えて美人

白く透き通る様な肌も艶のある真っ直ぐな黒い髪も酷く触り心地が良さげ

華奢な身体は加護欲をそそり 大きな目を縁取る睫毛は頬に影を作る程長い
高くも低くもない鼻は愛嬌があり
ふっくらとした唇だけが赤くいやに情欲を誘う

またしてもボーッと見つめてしまっていた剣心は振り向いて此方を見上げた りのに慌てて目を反らした

『?そこの分かれ道を左に真っ直ぐ行った所が私の家です』

細く長い指で指した先にポツリと一軒、家が見える

剣「あれでござるか?意外と神谷道場に近い」

嬉しさに笑顔でそう言って神谷道場までの道を告げた
次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ